能登の豪雨、死者計6人に 安否不明者は8人に 石川県が発表

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2024年09月22日 21:08  毎日新聞

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毎日新聞

複数の住宅が流され4人が行方不明になった現場付近で続く捜索活動=石川県輪島市で2024年9月22日午後3時51分、本社ヘリから

 石川県の能登半島北部などを襲った豪雨で、県などは22日、珠洲(すず)市で1人、輪島市で5人が死亡したと明らかにした。また、珠洲市と能登町では各1人が川に流されて行方不明になり、連絡が取れない安否不明者が輪島市と珠洲市で計8人に上っている。能登町で1人が重傷を負った。


 気象庁は21日午前10時50分に発表していた大雨特別警報を、ほぼ1日経過した22日午前10時10分に警報に切り替えた。生活物資などの輸送が困難な孤立集落は3市町で計115カ所で、深刻な被害が明らかになりつつある。


 県警によると、新たに死亡が確認された5人は、輪島市の塚田川で見つかった高齢の男性▽市内の倒壊家屋で発見された女性▽市内の川沿いで見つかった女性▽国道249号の中屋トンネル付近(輪島市門前町)で能登半島地震の復旧工事中に、土砂が流出し巻き込まれた男性2人。


 県によると、行方不明者は連絡が取れずに死亡の疑いもある住民、安否不明者は連絡が取れない住民を指す。


 県が発表した安否不明者は、珠洲市1人と輪島市7人の計8人。このうち4人は、輪島市久手川(ふてがわ)町の塚田川流域で複数の住宅が流された人で、中学3年生の女子生徒も含まれている。


 一方、県の発表とは別に国土交通省北陸地方整備局も作業員ら4人が安否不明と明らかにしている。21日、中屋トンネル付近の復旧工事中に流れ出した土砂に巻き込まれていた。


 奥能登広域圏事務組合消防本部によると、現場からは複数人を救助し容体を確認している。


 また、大雨の影響で22日午前10時前、黒部峡谷鉄道が運行するトロッコ電車の出平(だしだいら)駅と猫又駅の間のトンネル内(富山県黒部市宇奈月町)に土砂が流入した。このため、乗客約50人が乗った電車が出口付近で動かなくなり、従業員の誘導で避難した。けが人はいなかった。


 石川県内では22日も河川の氾濫が続いた。県によると、この日午後4時までに輪島市、珠洲市、七尾市、能登町、志賀(しか)町で23河川が氾濫していた。


 また、22日午後4時現在で、県管理の道路48カ所で土砂崩れなどによる通行止めが発生。その影響で生じた115カ所の孤立集落の内訳は、輪島市で99カ所、珠洲市で13カ所、能登町で3カ所だった。


 22日午後4時現在の避難者数は、5市町で1088人。能登半島地震の被災者向けの仮設住宅でも輪島市5団地(計549戸)、珠洲市の4団地(計228戸、建設中を含む)で床上浸水が見られた。


 総務省消防庁によると、能登豪雨による避難指示は22日午後3時半の時点で石川県の3市2町で5万556世帯11万710人▽山形県5441世帯1万4920人▽福島県676世帯1569人▽新潟県で389世帯826人。


 気象庁によると、20日午後6時の降り始めから、22日午後4時までの雨量(アメダスの速報値)は、輪島市輪島498・5ミリ▽珠洲市珠洲394ミリ。いずれも9月の平均降水量の2倍以上を記録した。金沢地方気象台は「少しの雨でも土砂災害や洪水災害の危険度が高まるおそれがある」と注意を呼び掛けている。【島袋太輔、森田采花、面川美栄、露木陽介】



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