16時間労働&休日ほぼ0、新卒入社で“囚人生活”を強いられて3ヶ月で退職した女性の回想【後編】

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2024年09月24日 06:10  キャリコネニュース

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働き方改革以降、日本の労働環境は大きく改善したが、20年ほど前にはブラック企業が普通に存在した。なかにはトラウマレベルの体験をした人もいるようだ。

千葉県の40代女性も、新卒入社した「超絶ブラック会社」で

「事務職で入ったのにまさかの工場勤務の肉体労働になりました」

とつらい経験した一人だ。深夜帰宅は当たり前、「出張はなし」という入社時の約束も反故にされてしまった。こうして入社からわずか1か月後、工場へ出張させられたのだった。

毎朝7時に滞在先のビジネスホテルまで送迎車がやってきて、帰宅は夜11時過ぎ。実働時間は16時間だった。「囚人生活」だったと皮肉る女性だが、当時は「逃げたくても逃げられません」と相当追い詰められていたようだ。

食事も満足に取れず、休みのはずの土日はなぜか工場の掃除をさせられ、工場に来て2週間後、ついに倒れてしまった。災難だったが、倒れたことで自宅に戻れた女性は、内心ではホッとしたようだ。ここまでは【前編】で伝えた通りだが、その翌日に社長から呼び出されたのだった。

ぐったりしているのに「ねぇ…やる気ないでしょ?」

倒れたにもかかわらず病院に行く時間も与えられなかった女性は、翌日しんどさを感じつつも会社へ行った。そんな女性に対して社長は、体調を気に掛ける素振りもなく、不機嫌そうな様子だったという。そして

「開口一番『ねぇ…やる気ないでしょ?』。言われた瞬間、殺される!と思った」

と社長のセリフから、命の危険を本能的に感じ取った女性。だが、この会社で命の保証はないと思ったのは、これが初めてではなかったようだ。

「こっそり工場社員のタイムカードを見たら、深夜3時退勤→朝7時出勤が連なっててゾッとしたことを思い出し、親に怒られてもいいからもう辞める!と決意が固まりました」

こうして入社から3か月で退職した。

「当時はみんな社会人として頑張ってるのに私は3か月で辞めちゃって、根性が無いのかな……と凹みました」

という女性だが、その後は転職先に恵まれ、定時帰りで土日祝日も休める環境になったことで、「ようやくあの会社が異常だったんだな」と思えるようになったそう。また前職は激務の割に給料がかなり安かったことも改めて思い知らされたようだ。

「毎日午前様だったにもかかわらず、手取りが転職先と比べて2万〜3万ほどしか差がなかったのです。残業代や深夜手当、休日出勤手当……なかったんだろうと思います。新卒で何も知らないのをいいことに、給料まで削っていたと思うと怒りしかないです。(中略)今は笑い話にできていますが、社長のことは一生恨み続けます」

と女性は話を終えた。その後の働き方改革により労働環境が改善された。令和の時代にはこんな無茶苦茶な話はないと思いたいが、実際はどうなのだろうか。

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