異世界・転生作品、飽和状態でもなぜ人気が止まらない?  先行き不透明な現代社会の世相も関係か

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2024年09月25日 08:00  リアルサウンド

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『転生したらスライムだった件』はシリーズ累計発行部数4

■「なかよし」史上初? 麻雀セットが話題に


  12月28日発売の少女漫画雑誌、「なかよし」2024年2月号の最新号の付録はなんと麻雀セット―― SNSが大いに盛り上がっている。麻雀牌は紙製であるものの、一式しっかり揃った本格派であり、大人でも十分に楽しめる仕様になっている。


(参考:【写真】「ちゃお」の付録だった推し活を応援するCHEERFUL DAYS スケジュールブックと願いを叶える6色ペン


  これは同誌に連載されている漫画『ぽんのみち』(原作:IIS-P、漫画:卯花つかさ、キャラクター原案:春場ねぎ)のテレビアニメが1月からスタートすることを受けた付録で、もちろん麻雀セットが付録になるのは同誌でも初めてになるという。


  麻雀はギャンブルのイメージが強いが、賭けをせずに遊べば、コミュニケーションのツールにもなる優れたゲームである。かわいらしいキャラクターをあしらった麻雀セットが読者の心をどれだけ掴むか、注目される。個人的にはこのセットを使って、実際に遊んでみた系の動画がネットに上がらないかなと楽しみにしているのであるが。


 「なかよし」と「ちゃお」の付録合戦は2000年代から盛んになり、特にその豪華で本格的な作りはしばしSNSをにぎわせてきた。過去には家電や腕時計までもが付録になったことがあり、大人を驚嘆させた。バッグやリュックが付録になったこともあり、女性誌さながらのゴージャスさである。


■「ちゃお」の付録は漫画家セット


  迎え撃つ「ちゃお」の最新号の付録は、「ときめき! シン・まんが家セット」である。イラストの写し描きができるキャリーケースから原稿用紙、0.38mmのコミックペン、スクリーントーンまでついている。


  イラストや漫画制作がデジタル全盛になる一方でアナログへの関心も高まっている。漫画家への関心を持ってもらうことで、次世代の漫画家の育成につながるのではないか―― そんな「ちゃお」編集部の思惑も感じられる。


  漫画家はいつの時代も子どもの憧れの存在だし、イラストの制作もYouTuberのさいとうなおきの動画の影響もあって人気が高いため、子どもの支持を集めそうだ。SNS上での話題性では「なかよし」が圧倒的であったが、実際に手にすると、豪華さでは『ちゃお』に軍配が上がる。


少女漫画雑誌は新規読者獲得に本腰を入れる


  付録にばかり注目が集まりがちだが、少女漫画界では漫画の充実を図って、新規の読者獲得に向けた動きも盛んに展開されている。今年は「ちゃお」に大きな動きがあり、WEBコミックの「ちゃおコミ」が「ちゃおプラス」へと大幅リニューアルされた。漫画も読みやすい仕様になり、過去の名作から、オリジナル作品までかなり充実したサイトになっている。


  こうした背景にあるのは、紙の雑誌の部数の大幅な減少であろう。参考までに、いわゆる3大少女漫画雑誌の2023年7月〜9月の平均発行部数は以下のとおりである(いずれも日本雑誌協会発表)。


ちゃお(小学館) 13万1667部
りぼん(集英社) 12万5000部
なかよし(講談社) 4万2333部


  かつて「なかよし」200万部、「りぼん」250万部といわれていた時代を知っていると、かなり寂しい数字になっている。子どもたちの関心の対象も多様化している中で、いかに興味身を引き付ける漫画を制作していくか。少女漫画雑誌の挑戦は、2024年も続いていきそうである。


(文=リアルサウンド ブック編集部)



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  • アニメに関しては今期・来期みればわかるように、様々なジャンルが入り混じっている。「異世界多いよね」って言いたいだけじゃないの?
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