『呪術廻戦』監督、第2期は“裏切り”意識 五条と夏油の青春→闇に落ちる「感情の落差を出そうと」

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2024年09月25日 18:00  ORICON NEWS

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「TVアニメ『呪術廻戦』 懐玉・玉折/渋谷事変 公式ガイドブック」(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
 「TVアニメ『呪術廻戦』 懐玉・玉折/渋谷事変 公式ガイドブック」(10月4日発売)に掲載されるインタビューの一部が公開された。制作の中心となった監督の御所園翔太、プロデューサーの瀬下恵介の対談インタビューに加え、アニメ第1期、2期でメインキャラクターを演じてきた虎杖悠仁役の榎木淳弥、伏黒恵役の内田雄馬、釘崎野薔薇役の瀬戸麻沙美3人の鼎談インタビューもあわせて公開。第2期について、スタッフ陣、キャスト陣それぞれの視点でキャラクターや作品への想いを語っている。

【画像】ひえっ!青春→闇に落ちる五条と夏油…『呪術廻戦』2期の名場面カット

■監督 御所園翔太×アニメーションプロデューサー 瀬下恵介 TVアニメ『呪術廻戦』第2期対談

―TVアニメ『呪術廻戦』第2期は、過去編である「懐玉・玉折」から始まります。「懐玉・玉折」を制作する上で意識されていたことはありますか?

御所園監督「「懐玉・玉折」は、「夏油が闇に落ちていく理由とその行動を、どう解釈してアニメに落とし込むか」という、自分なりの主題があったんです。なので、その主題をひたすら考えて作っていきました。結果、夏油が非術師を殺し、呪術師だけの世界を創ろうという行動は、夏油の一存だけで起こしたことではなくて、呪術界がずっと溜め込んできたストレスの山の上に、夏油自身のストレスが積み重なっていき、今回ついに決壊して行動するまでに至った――という解釈に行き着きました。この解釈を1本の軸にしつつ作ったのが今回の「懐玉・玉折」です。あとは言い方が難しいのですが、五条と夏油の「青春アイドルムービー」として作っている面もありますね。2人共かっこよくて魅力的ということも重視した方がいいなって。」

―そういった意味では「青春を押し出そう」という意識もあったのでしょうか?

御所園監督 「『期待をいい意味で裏切る』ということが『呪術廻戦』の魅力の1つだと思っています。「懐玉・玉折」で言うと、五条と夏油の明るく楽しい青春ムービーから一転して、理子が死んで五条と夏油が仲たがいしてしまう。そこが物語として一番の「裏切り」ですよね。なので、その大きな「裏切り」にたどり着くまでは、「明るく楽しい青春ムービー」という真逆なものに振り切って、感情の落差を出そうと意識しました。」

―瀬下さんは「懐玉・玉折」で意識していたことはありますか?

瀬下さん「僕はシンプルです。まず「五条と夏油をかっこよく」。キャラクターを魅せるためには作画も大事ですが、画面の色や明暗も大切です。なので、画面全体のビジュアルを魅力的に保つことを意識しました。」

―ビジュアルのイメージはお2人の中で合致していましたか?

瀬下さん「御所園さんのイメージを僕が理解して、そのイメージを現場スタッフに浸透させるために、PV第1弾を制作する段階で色々とすり合わせをしました。やはり映像を作るのが、一番イメージを共有しやすいので。かなり時間を取ってちゃんとやりましたよね。」

御所園監督「はい、すごくしました(笑)。PVについて言うと、音楽でドラムを入れるアイデアが出てよかったです。」

瀬下さん「そうですね。」

■虎杖悠仁役 榎木淳弥×伏黒恵役 内田雄馬×釘崎野薔薇役 瀬戸麻沙美 「渋谷事変」鼎談

―ご自身が演じているキャラクターは、TVアニメ『呪術廻戦』1期から2期で何か変わったと思いますか?

榎木さん「虎杖は1期の最初の頃はまだ学生気分というか、周りの誰か知り合いが亡くなるという経験があまりなかったのですが、でも途中で順平が殺されて、呪霊達にいいようにやられてしまったことで虎杖なりの戦っていく覚悟みたいなのものがより固く決まったんだと思います。それを経ての今回の「渋谷事変」なので、2期は呪術師として生きていく覚悟を持って臨んだというところが変わったところだと思います。」

瀬戸さん「1期の野薔薇は最初、呪術師というのは東京に出てくるための手段だったのかなって。彼女自身、呪術師としての野望よりも「東京に出たい」という気持ちの方が強かったと思います。2期では「どうして田舎が嫌だったのか」という部分がすごく深堀りされたと思うんですけど…東京に出てきて、呪術師になって、虎杖や伏黒と出会って。最初は「なんだ、こいつらは」と思っていたのが、多分一緒に戦っていったり、色んな状況を通して“仲間”という意識が強くなっていったのかな?と思います。」

内田さん「伏黒は、最初から大事な時に自分の意思がちゃんと前に出てくる人というか。五条に対して「虎杖を助けてくださいよ」って言った時もそうだし、そういう部分はずっと変わらずにあるんですけど…自分の優先度がすごく低い人なんですよね。自分が守られなくても「その方がいい」と思えばそうするっていう人で。2期でも自身を顧みず魔虚羅を使いましたし、彼にとってはあれが最善策だったと思うんですけど。ただ1つ変わったところは、1期で「死んで勝つと死んでも勝つは違う」と思えたのが、やっぱり結構でかいなと思っています。死ねば終わりになるという話ではなく、「そうした方がいい」って強い意思で選べるようになったのかなって。ただ「渋谷事変」では本当にずっと考え続けている感じもあったので、そういう意味では何か成長や変わっていったというより、「1期よりもさらに考えてるな」という感じがありました。」

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