180万円の壁を知らず、収入が少し増えました。それでも社保の扶養から外れてしまうのでしょうか?

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2024年09月25日 18:31  All About

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老後の不安からますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人もいるのではないでしょうか。今回は、社会保険の180万円の壁について専門家が回答します。
お金のこと、難しいですよね。老後の不安からますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人もいるのではないでしょうか。皆さんからのちょっとしたお金の疑問に専門家が回答します。

今回は、社会保険の180万円の壁について専門家が回答します。

Q:180万円の壁を知らず、収入が少し増えました。それでも社保の扶養から外れてしまうのでしょうか?

「180万円の壁を知らず、収入が少し増えました。それでも夫の社会保険の扶養から外れてしまうのでしょうか」(みかづきさん)

A:夫の勤務先が所属する健康保険組合の被扶養者認定の基準によります。また、相談者の勤務先で「一時的な収入増」との事業主の証明がもらえるかによっても、社保の扶養のままでいられるか、外れるかが異なります

会社員として働く人(相談者のケースでは夫)の扶養にはいることができれば、自分で社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)を払わずにすみます。

60歳以上の場合は、原則として年間収入180万円未満であれば、社会保険の扶養に入ることができます。これを「180万円の壁」といいます。「180万円の壁」について質問されているので、相談者「みかづき」さんのご年齢は60歳以上かとお見受けします。

そもそも60歳以上になると国民年金保険料は支払い義務がなくなり、社会保険の扶養に入る時は健康保険(介護保険含む)だけになります。

社会保険の扶養に入れるか否かの認定方法は、扶養者の勤務先が所属する各健康保険組合によって異なります。例えば以下のような場合には、認定のために勤務先から各健康保険組合に連絡が必要となります。社会保険の扶養に入れると「被扶養者」として扱われます。

・毎年11月に被扶養者の認定を行う際、直近1年間の収入証明が必要
・直近3カ月間の収入証明が必要
・年収180万円超えた時に連絡が必要
・月収15万円超えた時に連絡が必要
など

さらに2023年(令和5年)10月以降に「事業主の証明により被扶養者認定の円滑化」を図るため、厚生労働省ではパートで働く方などが社会保険の被扶養者のままでいられる措置を行っています。

具体的には、以下のようなケースでパート収入が増えた場合が該当します。

・勤め先に突発的な大口案件が入った
・勤め先の注文が大幅に増加した
・勤め先で突然の退職者や休職者が出た

このような時にパート収入が増えてしまった時は、「一時的に収入が増えた」として、被扶養者が自分の勤務先の事業主の証明をもらうことができれば、被扶養者のままでいられる措置を行っています。

「みかづき」さんの夫の勤務先が所属する健康保険組合に「いつどのような形で被扶養者認定を行うか」を確認したうえで、「みかづき」さんの勤務先の総務部などに「繁忙などにより一時的に収入が増えたことを証明をもらえるか」を確認してみましょう。

もし勤務先より証明をもらうことができ、健康保険組合に認められるようであれば、180万円を少し超えても被扶養者のままでいられる可能性はあります。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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