東北のバスケが見たいです! Bリーグきょう開幕 6県の注目選手紹介

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2024年09月27日 08:47  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

B1仙台・半沢凌太

今年もバスケの季節がやってくる。Bリーグの24−25シーズンは10月3日から、B3リーグは9月27日から各地で開幕する。日刊スポーツ東北6県版では、東北6県にあるプロバスケットボールチームの注目選手を紹介する。【取材・構成=浜本神威】


■仙台89ERS半沢凌太


192センチの大型スモールフォワード(SF)がB1仙台89ERSで頭角を現している。今季、B1京都から移籍してきた半沢凌太(24)は、献身的なディフェンスとゴールに向かうアタック力が持ち味だ。


14〜16日に行われた「東北カップ」を前に「仙台のスタイルであるディフェンスをガツガツ前からやって、どんどん速い展開のトランジション(攻守の切り替え)に持って行くというのは、チームの強みでもありますし、僕の強みでもある。そこを生かしていきたい」と語った。東北カップでは、2試合に出場してそれぞれ20分以上のプレータイムを得ると、準決勝のB2山形戦で7得点、決勝のB1秋田戦では6得点と得点力も発揮。言葉通り仙台のバスケットに早速フィットしてみせた。


自身の強みをしっかりと出して、チームは東北カップ連覇を果たした。ただ、落合嘉郎ヘッドコーチ(HC=42)が「彼が点数を取りに行くシチュエーションを作って、彼がもっと外国籍選手を生かしたり。彼が中心になるような組み立てをしたいなと思っています」と期待をかけるように、まだまだ伸びしろがある。半沢も「アタックしてブロックされてしまったときに、(落合HCが)どんどんやれと言ってくれる。僕にとって支えにもなりますし、それに応えていかなければいけないという思いがある」。期待に応える覚悟だ。


昨季は51試合に出場して1試合平均2・7得点。ハードな守備は言わずもがな、今季はオフェンスでもっと存在感を出していく。「どういうディフェンスに対しても、もっともっとアドバンテージを作れるように。それだけじゃなくて、点数を取ることやアシストができてくれば、もっともっと好循環になっていく」。チームの攻撃の核として、1試合1試合成長する。


■秋田ノーザンハピネッツ小栗瑛哉


B1秋田ノーザンハピネッツのポイントガード(PG)・小栗瑛哉(あきとし)(23)は、今季でプロ2年目のシーズンを迎える。昨季は37試合に出場し、1試合平均6分42秒の出場で、2・7得点。持ち前のシュート力には自信をつけたが、シーズン前半は点差が離れたときの出場が多く「すごいもどかしい思いで、ベンチで見守っていました」。悔しさの残るシーズンだった。


だからこそ今季は「自分が出ている時間帯でチームとしての得点力を上げることはもちろん、どれだけ失点を抑えられるかが勝利への鍵になると思っている」。東北カップでは出場3試合すべてで2本以上のシュートを決め、決勝の仙台戦では第1クオーター(Q)だけで8得点とチームをけん引した。一方で得点が止まった時間帯には「同じ絵が描き切れていなかったというのはPGの責任」と振り返った。


「同じ絵を描く」と、前田顕蔵HC(42)をはじめ、選手たちがよく口にする。今季はロースター12人のうち新加入選手が5人。秋田に長く在籍していた選手が移籍するなど顔触れが変わったからだ。小栗は「日本人選手もガラッと変わって、メック(クリスチャン・メコウル)もヤニス(モラン)も初めて日本でプレーする。(同じ絵を描くために)日本人が一層コミュニケーションを取っていかないと」。3季ぶりのチャンピオンシップ(CS)出場を目指す上で、チームの共通認識は欠かせない。


まずはアウェーで開幕を迎える。「(熊谷)航さんだけじゃないぞというところを絶対に見せたい。もっともっとPGとして成長しないといけない」。秋田を担う司令塔として自覚と責任を持ってプロ2年目へ−。「しっかり秋田を盛り上げていきたいなと、強く感じています」。アツいシーズンの先頭に立つ。


■青森ワッツ大高祐哉


B2青森ワッツのPG大高祐哉(27)は練習生契約から今季、プロ契約を勝ち取った。東北カップのB2山形との3位決定戦では3点シュート(3P)を3本成功。「3Pはずっと練習してきて、自信がありました」と、練習がうそをつかないことを証明した。


大高は青森県出身。地元のチームでプロとなり、開幕を前に地元開催の東北カップで躍動し、3位に貢献した。「(チームは)成長できるところがまだまだあると思うので、僕自身すごい楽しみ。本当に今年もいいチームになると思うので、ぜひ楽しみにしていただけたら」と、開幕を心待ちにしている様子だ。昨季、経営難に陥ったクラブを支えてくれたブースターには「本当に支えられて今がある。その恩を返せるように今シーズンも頑張っていきたいと思います」と思いを寄せた。青色のユニホームを着てコートで活躍する姿で、恩返ししていく。


■山形ワイヴァンズ岡島和真


B2山形ワイヴァンズのPG岡島和真(20)は、昨季にB2東京Z(現B3)から移籍してきた。B3降格を経験し、山形では特別指定選手として、選手兼通訳での契約だった。「昨季は自分にとっても崖っぷちなシーズンで、すべてを出し切ろうと思っていた」。崖っぷちの中、昨季はプレーオフ(PO)も含めて67試合に出場。レギュラーシーズン60試合では1試合平均9・3得点に2・9アシスト。司令塔としてしっかりと爪痕を残した。


プロ契約となった今季もマインドは変わらない。「(今季も)自分にとって崖っぷちというのは変わらない。やることは一緒です」。無我夢中で取り組んできた昨季も、POで滋賀やA千葉に負けた。岡島は「経験値やアグレッシブさが足りなかった。もっともっとできることはたくさんあると思う。今季はさらにチームを鼓舞して頑張っていきたい」。チームを勝たせる司令塔として、飛躍を誓った。


■福島ファイヤーボンズ林翔太郎


B2福島ファイヤーボンズのSF林翔太郎(29)は並々ならぬ思いを持って今季に臨む。B1茨城から移籍してきた昨季は、シーズン序盤に右足関節開放性脱臼で戦線離脱。今年1月27日に復帰も、福島での1年目は33試合の出場にとどまった。「人一倍、今年にかける思いはある」。目には決意がこもっていた。


今季は主将も任された。「チームからの期待というのも少なからずあるのかなと思っている」。期待と責任から、一層周りを見るようになった。気にしすぎるあまり、東北カップ初戦では「自分の思ったようにプレーができていない」と語っていたが、翌日の5位決定戦では3P7本を含む27得点と躍動。周りを見て、自分も生かすきっかけをつかんだ。レギュラーシーズンは約7カ月。「トライアンドエラーの繰り返しだと思うので、日々成長していきたい」。目標のB1昇格へ、けがなく、チームとともに戦い切る。


■岩手ビッグブルズ石川晴道


B3岩手ビッグブルズのPG石川晴道(24)は、昨季体感したB2レベルを糧に司令塔としての成長を誓った。一昨季にB3岩手に加入し、B2昇格に貢献。しかしチームは1年でB3に降格。「個のレベルも上がっていましたし、チームとしての組織力も違った。いろんな発見があった」。レベルの高い舞台だった。


いろんな発見の中で、試合中の判断が自身の課題だと気づいた。東北カップでは初戦でB1秋田と対戦し、第1Qを19−9とリード。流れは岩手にあった中で、石川のターンオーバー(ミスによる攻守の入れ替え)が「9」と、ミスがかさんだ。浮き彫りになった課題に「それだけで一気に相手に流れを持って行かれる」と反省していた。1年でB2復帰を狙う今季へ「試合を通しての判断の部分をまだまだ上げていかないといけない。1年通して常に成長を求めていきたい」。チームを勝たせられるPGを目指していく。

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