【ラグビー】札幌山の手2年連続の花園決める PR白幡塁斗が8月急逝の父へ捧げる先制トライ

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2024年09月28日 20:08  日刊スポーツ

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札幌山の手対函館ラ・サール 試合後、札幌山の手のHO古谷主将は、高々と胴上げされる(撮影・中島洋尚)

<全国高校ラグビー南北海道大会:札幌山の手33−7函館ラサール>◇28日◇決勝◇札幌・月寒屋外競技場



札幌山の手が33−7で函館ラサールを下し、2年連続22度目の優勝を飾った。前半7分、PR白幡塁斗(3年)のトライで先制。トータル5トライ4ゴールを決め、相手の反撃を後半終盤の1トライ1ゴールに抑えた。


   ◇   ◇   ◇


敵陣ゴール前のモールが崩れ、ボールが芝生に落ちた瞬間をPR白幡は見逃さなかった。「お父さんが空から見てると思って、ずっと思いっきりプレーしてました」。すぐさまボールを拾い上げると、押し戻そうとする相手ディフェンスを振り切り、インゴールに飛び込んだ。先制−。仲間がうれしそうに、ヘッドキャップをたたいた。


8月11日、遠軽高ラグビー部OBの父皇由(きみよし)さんが心不全のために50歳の若さで急逝した。「熱中症で臓器を悪くしたけど、治ったと聞いていました」。8月上旬のニセコ遠征から札幌に戻り、一息ついたばかりの時に、地元・遠軽から訃報が届き、すぐに故郷に戻った。


ラグビーは友人のすすめで始めたが、自宅でも公園でも、小さい頃の練習相手は常に父だった。札幌山の手へのラグビー留学も、昨季の花園出場も、手放しで「喜んでくれた」という。もちろん昨年の本番は大阪まで駆けつけ、声援を送ってくれた。


今年の花園に父の姿はない。しかし、夏のニセコ遠征では、過去5度の全国優勝を誇る常翔学園(大阪)との初の合同練習も3日間行い、確実に力はつけた。「昨年の花園は、歓声がすごくて、のみ込まれる感じが怖かった。今年はシード校を倒すことが最低目標で、本当の目標がベスト8」。今年こそ、先輩リーチ・マイケル(35=BL東京)も果たせなかったシード校撃破を実現し、父に結果を報告する。【中島洋尚】

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