袴田さん姉、無罪に謝意＝日本記者クラブで会見―東京

　１９６６年に静岡県で一家４人が殺害された事件で死刑が確定し、静岡地裁で再審無罪判決が言い渡された袴田巌さん（８８）の姉ひで子さん（９１）らが３０日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。ひで子さんは「弁護士や支援者の皆さまのお力添えで無罪を勝ち取りました」と感謝の言葉を述べた。

　会見には弁護団の小川秀世事務局長も出席。再審判決で、捜査機関による証拠の捏造（ねつぞう）が認められたことを受け、「今の刑事手続きは後から検証できない状態で、警察や検察が何をしても分からない。これを契機に修正していくことが重要だ」と強調した。

　袴田さんは長年の拘禁の影響から、今も意思疎通は難しいが、２９日に静岡市内で開かれた集会に出席した際、「無罪勝利が実りました」と話した。ひで子さんはこの発言について、「思わぬことを話しだしてびっくりした」としつつ、「（拘置所で）いつも『無罪になったらこういうことを言うんだ』と復唱していたんじゃないか」と語った。