Q. 手足口病とはどんな病気ですか? 効果的な予防法はあるのでしょうか?
Q. 「手足口病が大流行しているというニュースを見ました。子どもが保育園に通っているので、感染しないか心配です。どんな症状が出るのでしょうか? 効果的な予防法があれば教えてください」A. 特徴的な発疹の他、発熱や食欲不振も。手洗いなどで予防を心がけて
手足口病(てあしくちびょう)は、5歳以下の乳幼児が約90%を占める、子どもに多い病気です。主に夏に流行する感染症ですが、2024年9月現在、過去10年で最多となる異例の流行が報告されています。手足口病に感染すると、名前の通り手・足・口内に赤い水疱が生じます。
実際の手足口病の症例画像
主な症状は以下の通りです。
・発熱(微熱に留まる場合もある)
・食欲低下
・だるさ・倦怠感
・口内痛
・手・足・口内のみに生じる、特徴的な水疱
感染してから発症までの潜伏期間は3〜5日で、初期症状として、口内に痛みが出ることが多いです。食べ物を食べるとしみることが多いため、子どもが食事中にぐずったり、食欲が落ちてしまったりして気づくこともあります。口内炎のために、よだれが非常に多くなることもサインの一つです。
感染経路はさまざまで、ツバなどからうつる飛沫感染と、便からうつる経口感染の他、水疱から直接感染するケースや、ウイルスに汚染されたものを触ることで感染する接触感染があります。一度感染した後も数回かかることがありますが、年齢が上がると感染しなくなります。
|
|
保育園は、本人の状態が良ければ登園可能です。長期間ウイルスを排出するため、一度流行すると、感染者の隔離で感染拡大を防ぐことはできないためです。他の感染症と同様、咳エチケットや手洗いなどの基本的な予防を心がけましょう。
清益 功浩プロフィール
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。(文:清益 功浩(医師))