オフィス家具大手のオカムラは、日立製作所が提供する無人コミュニケーション店舗「CO-URIBA」(コウリバ)を活用し、オフィス空間づくりに向けた共創を開始した。CO-URIBAによって従業員同士で感謝の気持ちをクーポンで贈り合える仕組みを導入。コミュニケーションを促すことで(身体的・精神的・社会的に良好な状態である)ウェルビーイングを向上させ、企業へのエンゲージメント向上や新たな価値創出を図る狙い。
●リモートワークで浮上した不安感 どう解決する?
パーソル総合研究所の調査によると、リモートワークの不安感として最上位に「相手の気持ちが分かりにくく不安だ」(35.5%)が挙がり、「上司から公平・公正に評価してもらえるか不安だ」(27.2%)、「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安だ」(26.2%)と続く。
今回の取り組みでは、リモートワークの普及によるコミュニケーション不足を解消し、従業員同士の交流を促進させるため、オカムラのオフィス2拠点にCO-URIBAを設置するという。CO-URIBAは、ユーザーが生体情報と決済情報をあらかじめ登録しておくことによって顔認証決済を可能とする無人コミュニケーション店舗であることは【日立が渋谷のサウナをジャック!? 「社会をととのえるサウナ」の狙いは?】でレポートした。
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利用する際には顔認証を使ってチェックインし、棚から商品を手に取るとセンサーが商品を自動で選定して決済が完了する。CO-URIBAの横に設置したサイネージには、商品や会社のイベント情報など、従業員への情報も流すことが可能だ。
今回は従業員が手軽に買い物をできることに加え、従業員同士や会社から従業員へ感謝の気持ちをクーポンで贈り合える仕組みを導入した。リモートワークによって離れた場所にいても「ありがとう」の気持ちを伝え合うことで、コミュニケーションを活性化。上司や部下同士の「助け合いマインド」を育む狙いがあるという。
オカムラは、心と体の調和が取れ、活力が向上してる状態を「WELL at Work(ウェルアットワーク)」と定義し、その実現をサポートする空間づくりや働き方を提案している。一方、日立は「データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現し、人々の幸せを支える」ことを目標に掲げ、従業員の幸せとウェルビーイングの実現を目指す。
日立はこれまで、グループ内の15拠点にCO-URIBAを設置してきた。アンケート結果では8割以上の利用者が、出社への動機付けや新たなコミュニケーション促進に役立ったと回答しているという。
両社はオフィス内のコミュニケーション活性化ツールとして、CO-URIBAを他企業のオフィスにも展開していく予定だ。オカムラのソリューションとCO-URIBAを組み合わせ、ウェルビーイング向上に向けたオフィス空間の提案をしていく。利用者の購買データや行動ログも活用することによって、新たな価値創出を目指す。
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(小松恋、アイティメディア今野大一)
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