BMWが新型「M5」発売! 電動化でモンスターに変身? 価格据え置きの理由は

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2024年10月02日 17:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
BMWの新型「M5」が日本で発売となった。最大のトピックはM5の長い歴史で初めて電動化を果たしたこと。4.4LのV型ツインターボエンジンに超強力なモーターを組み合わせた走行性能は、もはや「モンスター」級なのだという。どんなクルマなのか実物を取材してきた。


Mは販売台数が増加中



「M」は「走る、曲がる、止まる」の基本性能を鍛え上げ、モータースポーツの知見と技術を盛り込んだBMWの高性能モデル。同社が掲げる「駆けぬける歓び」を体現するクルマだ。ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長の長谷川正敏さんによると、Mの販売台数は2022年が17万台超、2023年が20万台超でセグメントとしては成長しているそうだ。


新型M5のトピックは同モデル史上初の電動化を果たしたこと。具体的には4.4LのV型8気筒ツインターボエンジンに22.1kWhのリチウムイオンバッテリーとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車(PHEV)になっている。エンジンの性能は最高出力585PS(430kW)/5,600〜6,500rpm、最大トルク750Nm/1,800〜5,400rpm。モーターは197PS(145kW)、450Nmを発揮する。


V8エンジンと6気筒エンジンが一緒に載っているようなもの?



M5を担当するプロダクト・マネージャーの御舘康成さんによれば、モーターの最大トルク450Nmは高性能な6気筒エンジンと同等の動力性能であるとのこと。V8エンジンに6気筒エンジンを組み合わせたかのようなパワートレインを積むクルマというのがどんな風に走るのか、話を聞くだけだとちょっと想像もできないが、長谷川さんは新型M5について「ドライビングマシンというより、ほとんどドライビングモンスター」だと紹介していた。新型M5のシステムトータルの動力性能は最高出力727PS(535kW)、最大トルク1,000Nm、停止状態から100km/hまでの加速に要する時間(いわゆるゼロヒャク加速)は3.5秒。

電動化の弱点はクルマが重くなること。そもそもバッテリーは重いものだし、PHEVとなるとエンジンとモーターの両方を搭載しなければならないので、重量増は避けられない宿命だ。どんなにパワーを上げても、車体が重ければスポーツカーは速く走れない。



ただ、新型M5については、そのあたりの対策に抜かりはないというのが御舘さんの説明。例えば重たいバッテリーは、ホイールベース(前輪と後輪の間)の内側にレイアウトしている。重心点に近い場所に重いパーツを置くことで、クルマの重量のバランスをよくする工夫だ。


乗れば自分のキャリアまでコントロールできる!?



PHEVはエンジンを積んでいるが、普段の(移動距離の短い)外出ならバッテリーの電力だけで電気自動車(EV)のように済ませられるので、自宅でクルマを充電できる環境の人にとっては経済性が高い乗り物だという風に紹介されることが多い。でもM5は、経済性というよりも「未来の駆けぬける歓び」(以下、カッコ内は御舘さん)を体現するために電動化したらしい。ちなみに、バッテリーをフル充電にすれば70kmは電気だけで走れるそうだ。



新型M5の価格は1,998万円。電動化したのに先代モデルと値段が変わらない。バッテリーとモーターの原価がいくらくらいなのか不明だし、それらを追加して同じ値段で売れるのはどうしてなのかという点も不明なのだが、ビー・エム・ダブリューとしては「経験的に、価格が2,000万円を超えると客層が変わる」ということがわかっているそうで、「なるべく多くの人に乗ってもらいたい」との思いから価格を据え置いたそうだ。


御舘さんによるとM5は、しょっちゅうサーキットに乗りに行く人というよりも、いわゆる「士業」の人(弁護士、医師、行政書士など)や会社役員の人などが乗っているらしい。1日の激務を終えてM5のドライバーズシートに乗り込み、エンジンの咆哮を聞きながら自在なドライビングを楽しんでいると、「人生そのもの」や「自分のキャリア」までコントロールできるかのような「前向きな気持ち」になれるのだという。



新型M5の納車開始は2024年11月中旬の予定。(藤田真吾)

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