医師がシニアの食事に「マックと吉野家」を勧める“意外な理由”

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2024年10月07日 11:00  web女性自身

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介護の高齢者が年々増え続けている。経済産業省の発表によれば、要介護認定者数は、ピークを迎える2040年に988万人にもなると推定されている。



「日本に寝たきりの高齢者が多いのは、“痩せ”が原因。65歳を過ぎたら、血圧や血糖値を気にする前に、十分な食事量が大切です」



こう警鐘を鳴らすのは、医療法人社団悠翔会 理事長の佐々木淳先生だ。



在宅医療のエキスパートで、著書『年をとったら食べなさい』(飛鳥新社)では高齢者の命を守る食事法を指南している。



日本の75歳以上の高齢者のうち、約6割が低体重というデータもあるという。確かに中高年に比べると、「太っている高齢者」は想像しづらいがーー。



なぜ、高齢になると多くの人が痩せてしまうのか。



「そもそも人間は、年を重ねると生理的に筋肉量が減少します。30歳以降、1年間で約1%ずつ減少し、80歳時点でおよそ半分程度になるといわれています」(佐々木先生、以下同)



筋肉が減少すると、動くことがおっくうになり、日常の活動量が減る。飲み込む力も衰えるため、食事への関心が薄まり、食事量も減る傾向にあるという。これが筋肉量の減少に拍車をかけ、だんだんと動けなくなってゆくのだ。



「痩せ」指標の一つには、体格指数である「BMI」が用いられる。厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」では、年齢別に目標とするBMIの範囲が定められている。



「BMIは、22程度が最も健康によいといわれますが、これは高齢者には当てはまりません。表では下限が21.5に設定されていますが、女性の場合はBMI23.5から24.9ぐらいの少し太め程度のほうが長生きできるといえます」



「痩せ」は寝たきり以外にも、誤嚥性肺炎、骨折などの要因にもなる。要介護と死亡のリスクを増やさないためには、筋肉を守り、体重を減らさないことが大切だ。



「まずは、カロリーを取ることが必要不可欠です。以前、かなり痩せ型で寝たきりに近い80代の男性がいました。老人ホームで、三食しっかり食べていた方でしたが、体重は減り続ける一方。そこで、1本375kcalの栄養補助食品を飲んでもらったところ、体重減少が止まりました。



さらにもう1本追加すると、体重はゆっくりと増加し、寝たきりから歩くリハビリができるまでに回復。最終的に、老人ホーム入所時より10kg以上体重が増えました」



この男性はもともとは肺炎で入退院を繰り返していたが、体重が増えたことで健康を取り戻し、平均寿命を大きく超えて長生きしたという。



しかしながら、一度痩せた状態から体重を増やすのに、700kcal以上も必要だったのは驚きだ。痩せる前に「守る」意識が大切だとわかる。





■体重と筋肉を守る「ジャンクフード」



そこで、シニアにこそおすすめしたいのが、意外にも、“ジャンクフード”なのだという。



「特に、ハンバーガー、牛丼チェーンはシニアに理想的だといえます。体重を守るためのカロリーと、筋肉を守るためのタンパク質量、両方を効率よく取れるメニューがそろっているからです」



佐々木先生によれば、高齢者の1日あたりの必要摂取カロリーの目安は、運動強度や体の大きさにより、2,000〜2,500kcal程度。タンパク質は、通常は体重1kgあたり約1gの計算(体重52kgの場合52g)だが、筋肉量が減少する高齢者は1.5倍程度摂取すると安心だという。



今回、佐々木先生への取材を参考に、編集部が提案するおすすめメニューをまとめた。あくまで一例だが、1食置き換えるだけで、カロリーだけでなく、1日に必要なタンパク質の半分以上を補うことができるメニューなので、参考にしてほしい。



最近の研究では、運動量が少なくても、タンパク質さえ取れていれば、筋肉はあまり減らないこともわかってきている。



ただし、カロリーとタンパク質、両方を増やすことが不可欠だ。そもそものカロリーが不足していると、タンパク質を取ってもそれがエネルギーとして消費されてしまう。



「ジャンクフードは、『油分や塩分が多く不健康では?』と心配する方がほとんどだと思います。しかし“高密度なカロリー”という意味で、むしろ脂質は味方です。脂質は1gで9kcalあるので、10g取れたら90kcalになります。



同様に、塩分も大きな問題はありません。高齢者はある程度動脈硬化が進んでいるため、この年齢から制限しても、死亡リスクが大幅に低減される望みは薄いと思います。



年を取ると味覚が衰え、薄味だと味がわからず、食への関心が薄れることも。それで体重が減少するくらいなら、濃いめの味付けにしても構いません」



味噌汁やヨーグルトにオリーブオイルを加える、お米を炊くときにMCTオイルを混ぜる、などの方法もおすすめだ。ギトギトの揚げ物は継続して食べにくいという人は、無理のない形で脂質を取ろう。



「カロリーの取りすぎはよくない、血圧や血糖値はとにかく下げるべきだ、といった常識にとらわれすぎて、かえって健康を損ねている高齢者をたくさん見てきました。体重が減少し始めたら、健康管理の方向を改めて見直してほしいです」



65歳を過ぎて、少し疲れやすくなった、動くことがおっくうになるなどしたら、要注意だ。ジャンクフードをうまく取り入れて、できるだけ長生きしよう!

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このニュースに関するつぶやき

  • 高齢者が吉野家やすき家とマックなどを食べることは良いことですよ!元気じゃないと食べられませんからね!
    • イイネ!11
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