都内最大の“街づくり型物流施設”「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」が誕生-ドローン実証実験施設も併設、物流業界と地域の課題解決目指す

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2024年10月08日 09:31  マイナビニュース

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三井不動産と日鉄興和不動産は、都内最大の街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」を竣工。10月2日に竣工式を行い、記者説明会と内覧会を実施した。同施設の敷地内には、ドローン実証実験施設「板橋ドローンフィールド」を開設し、ドローン業界全体の産業発展にも寄与。ドローンの社会実装を推進し、物流業界をはじめとする地域社会のさまざまな課題の解決に貢献していく。


○旧製鉄所の広大な敷地を街づくり型物流拠点に



「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」は、敷地面積約91,000平方メートル、地上6階建てで延床面積約250,000平方メートル超と、広大な敷地に大空間を実現した都内最大の物流施設。物流拠点としては、都心部への配送のみならず、首都圏北部地域を網羅できる広域配送拠点となる。


1935年より日本製鉄の製鉄所として操業されてきた同地は、2021年に日鉄興和不動産が取得。三井不動産との協業で大規模物流施設開発PJとして推進してきた。板橋区と協議を重ね、災害に強く安心・安全な街を実現し、人々が豊かに暮らすことのできる地域に開かれた憩いの場となるようにし、新たな産業機能の更新 を図った。地域に開かれた空間となるよう、新河岸川沿いを親水空間として約600メートルにわたる緑道を整備。同敷地内には、遊具なども置かれた広場など約9,000平方メートルを地域住民が利用できる空間として提供しており、四季折々の植栽など生物多様性にも配慮している。


日鉄興和不動産 企業不動産開発本部 副本部長で執行役員の加藤由純氏は「弊社の特徴は、日本製鉄グループの全国の製鉄所エリアを中心に、地域再生事業に取り組んでいること。製鉄所が立地するエリアは今回の板橋のように、歴史があり、長年その地に根差して街が作られている。そのため地域のニーズ、課題解決を目指して開発をすすめている」と、地域に貢献できる施設づくりを目指したと話す。


同施設は国内初の官民連携による高台まちづくりの取り組みとなり、退避路(デッキ)や災害時に活用できるヘリポートを整備。そして、水害時に逃げ遅れた地域住民が退避可能な緊急一時退避場所として、1,000人が避難することができるという。


施設内共用部には、ビューラウンジやドライバー休憩室、コンビニ、ジェンダーレストイレ、ワークスペースなどを用意。豊かなコミュニケーションを図るため、快適性と機能性を踏まえてデザインされている。

さらに、板橋区の災害物資の保管・配送拠点となる「災害時配送ステーション」を2階に整備し、災害時には板橋区内の各避難所への物資供給に加えて、広域自治体より支援物資の受け入れも担うとし、板橋区、三井不動産、日鉄興和不動産、ヤマト運輸とで「4者災害協定書」を締結し、運用体制を構築した。さらに、再生可能エネルギー電力の地産地消に関する協定を板橋区と締結。太陽光発電の余剰電力を区内73の小中学校へ供給し、ゼロカーボンシティの実現にも貢献する。


○次世代モビリティ・ドローンに着目、オープンイノベーションを推進



三井不動産は、グループの長期経営方針「& INNOVATION 2030」で、不動産デベロッパーの枠を超えた産業デベロッパーとして社会的価値の創出を目指す方針を打ち出している。その方針を目指す中で、次世代モビリティとしてのドローンに着目し、同施設内に「板橋ドローンフィールド」を開設している。


監修・運営は日本UAS産業振興協議会とブルーイノベーションが担っており、物流配送だけでなく、太陽光パネルが外壁の点検、警備、災害時の支援物資運送など、さまざまな研究開発や実証実験の場として活用する。


さらに、都内初となるドローン教育機関「KDDIスマートドローンアカデミー東京板橋校」も開校され、ドローンの技術者やオペレーターを育成する場を提供。撮影や点検、物流とそれぞれの領域を専門的に学ぶ領域専門コース、国家資格である無人航空機操縦士の取得を目指す国家資格取得コースで学ぶことができる。また、会員制の「ドローンコミュニティ」を創設し、セミナーなども開催していく予定だという。スタートアップ企業やアカデミア、公的機関などと連携をとり、ドローン産業のオープンイノベーションを推進していく。


三井不動産 ロジスティック本部長で執行役員の篠塚寛之氏は「この施設で検証されたドローン技術が、配送、建物管理、災害対応の分野で活用されて、人手不足をはじめとする社会課題の解決につながっていければと考えている。都内最大の希少な立地に最先端のスペックを備えた施設であることはもちろん、公開敷地や防災の取り組みを積極的に行い、新産業への創出にも関わっていく、次世代の街づくり型物流施設になっている」と話し、物流だけにとどまらないさまざまな価値創出を得られる施設となっていると自負する。


板橋区の坂本健区長は「本施設が立地するエリアは、荒川の氾濫に備えて水害に強い街づくりを進めています。本施設内に整備される防災機能のほか、広場や緑道が区民に愛される憩いの場は、施設の取り組みと街づくりが一体となるような、このエリアのさらなる活性化にも大きな貢献を果たすものとして、大いに期待しています」と、期待を寄せた。(宮崎新之)

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