下克上日本シリーズへ!真価問われる日本ハム・新庄監督の手腕…伊藤大海「113球」熱投の意図とは

1

2024年10月09日 13:46  ベースボールキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ベースボールキング

日本ハム・伊藤大海 (C)Kyodo News
◆ 新庄劇場の集大成へ!エース伊藤のCS起用法は?

2年連続最下位から2位に躍進した今季の日本ハム。新庄剛志監督が我慢強く起用しつづけてきた若手の飛躍がチームの6年ぶりAクラスにつながった。

「新庄チルドレン」と呼ばれる選手の象徴となったのが、“パ・リーグのエース”と呼ばれるまで成長した伊藤大海だろう。

ルーキーイヤーの2021年から2年連続で10勝、防御率2点台をマークしていたが、3年目の昨季は7勝(10敗)、防御率3.46と不本意なシーズンを送った。

それでも新庄監督は今季の開幕投手に伊藤を抜擢。すると、伊藤は6回4安打無失点の好投で勝利を手にし、チームを勢いづかせた。

その後も伊藤が登板した試合でチームは開幕から7連勝。自身も6月上旬に初黒星を喫するまで4連勝と、チームの開幕ダッシュに大きく貢献した。

終わってみれば、今季は26試合に登板して14勝5敗、防御率2.65という自己ベストの成績で、最多勝と最高勝率の2冠が確定。大黒柱として自身初のクライマックスシリーズ(CS)に向かう。

ところが、12日(土)に開幕するロッテとのCSファーストステージで、伊藤がマウンドに上がる機会はないかもしれない。

というのも、チームの今季最終戦となった8日の楽天戦で、伊藤は15勝目をかけて先発するも、7回2失点の粘投むなしく今季5敗目を喫した上に113球を投げているからだ。

前述した2つのタイトルはすでに手中に収めていたため、単独最多勝を懸けての登板だったが、結局、最多勝は有原航平(ソフトバンク)と分け合う形となった。登板間隔を考えれば、少なくともファーストステージ2戦目までの先発はなくなったといえるだろう。

ファーストステージは2戦先勝方式で行われる超短期決戦だけに、本来ならエース格の投手を初戦ないし第2戦に登板させるのが常套手段。2連敗を喫すれば、登板機会がないまま終戦を迎えるためだ。

ところが伊藤が第2戦に投げるとすれば、中4日での登板となる。ルーキーイヤーから離脱することなく投げ続けてきたタフな右腕とはいえ、仮に登板したとしても球数は限られるだろう。

リーグ2位から下克上を目指す新庄監督とすれば、日本シリーズに進出できないなら、ファーストステージ敗退も、ファイナルステージ敗退も同じことなのかもしれない。つまり、伊藤以外の投手でファーストステージを乗り切り、ソフトバンクとのファイナル第1戦(16日開幕)に伊藤を登板させる算段なのではないか。そうすれば、伊藤がソフトバンクとのファイナルで2度マウンドに上がることも可能になる。

もちろんロッテとの戦いがもつれるようなら、第3戦の先発、ないしは第2戦でのリリーフ登板も考えられるだろう。ただ、日本ハムはロッテに対して18勝6敗1分と大きく勝ち越しており、絶対の自信を持つ。しかも、伊藤以上にロッテ戦で結果を残している先発投手も少なくない。

左腕の加藤貴之は今季ロッテ相手に5勝1敗、防御率1.85。同じく左腕の山崎福也は2勝0敗、防御率0.59とほぼ完璧にマリーンズ打線を封じている。

また、北山亘基もロッテ戦は今季1試合を投げただけだが、完封勝利を収めており、伊藤をファイナル第1戦に温存することは理にかなっているともいえる。

もちろん伊藤が登板しないまま敗退するリスクもあるが、新庄監督が見据えるのはあくまでも日本シリーズの大舞台。新庄劇場の集大成はまもなく幕を開ける。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

このニュースに関するつぶやき

  • 9年ぶりのCSでのロッテ戦を伊藤投手以外で突破しSBとのファイナル初戦に登板させる予想はおそらく当たるでしょうね。今回短期決戦を初めて経験する選手が殆どですがそれぞれの活躍に期待ですね
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングスポーツ

前日のランキングへ

ニュース設定