『お〜いお茶 新俳句大賞』最高賞は働くママの力作「二億年の 地層の 春っぽい部分」

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2024年10月09日 14:23  ORICON NEWS

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『第三十五回 伊藤園お〜いお茶 新俳句大賞』で最高賞に輝いた川崎智美さん (C)ORICON NewS inc.
 伊藤園は9日、都内で『第三十五回 伊藤園お〜いお茶 新俳句大賞』表彰式を開催した。今回は、188万9582句の応募から最高賞である「文部科学大臣賞」には、福岡県の川崎智美さん(38)の俳句「二億年の 地層の 春っぽい部分」が選ばれた。

【写真】『第三十五回 伊藤園お〜いお茶 新俳句大賞』の受賞者一覧

 川崎さんは、子育てをしながら働くワーキングウーマンで、手軽にできる趣味を探す中で俳句と出会い、通勤や休憩時間を使って、日々俳句の創作を続けて表現力を磨いてきた。川崎さんは作品に「この作品の"春っぽい部分"というのは、具体的に春を感じる部分が見えたのではなく、地層の中にも春を感じるような部分があると思っていれば、それを発見できるのでは、という気持ちを表現したもの」との思いを込めた。表彰式では「普段から趣味として俳句をしており、いつかはペットボトルに自分の俳句が乗るといいなと思っておりましたが、まさか文部科学大臣賞をいただけるとはあんま思っていませんでしたと喜びを語り、「いつも励ましてくれる俳句仲間たちと、家族に感謝したい」と笑顔を見せた。

 選考員となった夏井いつき氏は「この俳句の『春っぽい』。ここの表現について、『これは季語として大丈夫なの?』 とそういう考えを持つ先生方は当然いらっしゃるわけです。俳人にはいろんな主義主張、文学観を持った人たちがいらっしゃいますからね。しかし、 この句において、この『春っぽい』という部分は、紛れもない素敵な詩になっております」と講評した。

 同賞は、1989年に『お〜いお茶』の発売とともにスタートした創作俳句コンテスト。入賞作品を商品パッケージに掲載することや、季語や五・七・五の定型文にとらわれず自由な感性で俳句を詠むというユニークさが特徴となっている。今年で35回目となり、計7部門に日本のみならず世界60ヶ国から約189万作の俳句が集まった。

 審査員には、俳人の安西篤氏、夏井いつき氏、星野恒彦氏、作家でクリエイターのいとうせいこう、ギタリストの村治佳織、日本語学者の金田一秀穂氏、作家の宮部みゆき氏、詩人のアーサー・ビナード氏、写真家の浅井愼平氏、今年は堀田季何氏、神野紗希氏も加わった。

 このほか、金子兜太賞は千葉県の菱木あかねさん(11)、小学生の部大賞は東京都の小宮花菜さん(8)、中学生の部大賞は兵庫県の小西悠生さん(14)、高校生の部大賞は大阪府の谷口蓮於さん(18)、一般の部A大賞は北海道の水関実法子さん(27)、一般の部B大賞は兵庫県の安藤浄子さん(80)、英語俳句の部大賞は兵庫県の奥山華さん(17)、新俳句フォトの部大賞は三重県の奥野恭平さん(21)が受賞した。

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