Windowsの「パスキー」について発表 利便性が向上/Wordで保存後にファイルが削除される不具合発生

0

2024年10月13日 06:11  ITmedia PC USER

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia PC USER

MicrosoftがWindowsでのパスキーの取り組みを発表した

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、10月6日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!


【その他の画像】


●Windowsの「パスキー」、利便性が向上


 米Microsoftは10月8日(現地時間)、Windowsにおける「パスキー」の取り組みについて発表した。今後数カ月以内に、Windows Insiderチャネルでパスキーの新機能が使えるようになる。


 パスキーは、パスワードがない未来を提唱するFIDOアライアンスを中心に、パスワードに代わる認証方法として各プラットフォームで展開が進められている。認証にパスワードではなく生体認証などを用いるため、フィッシングなどに強いのが特徴だ。


 Microsoftは、Windowsのパスキーを強化するため、以下のような機能をWindows Insiderチャネルで展開する。


・サードパーティーのパスキープロバイダー向けのプラグインモデル


 サードパーティーのパスキープロバイダーを、Windows 11のプラットフォームにプラグインするためのAPIをサポートする。「1Password」や「Bitwarden」などのパスキー対応パスワード管理ツールと提携し、Windows 11でシームレスに利用可能にする。


・パスキーのネイティブUXの強化


 Windows Helloエクスペリエンスが刷新される。パスキーをサポートするWebサイトに移動すると、パスキーの保存方法を選択するように求められる。例えば、EdgeブラウザでGitHubにアクセスすると、Windows Helloで保護されたパスキーの保存方法を選択するよう求めるポップアップが表示され、オプションとして「Microsoft アカウントに保存」と「別の方法で保存」が表示される。


・Microsoft 同期パスキープロバイダー


 新しいパスキーを作成したら、Windows Helloで保存して同期し、別のWindowsデバイスでも使用できるようになる。パスキーは基本的にデバイス毎に作成しなければいけないが、Windows Helloに保存することで、他のWindows 11 PCでも利用可能になる。


●Wordで保存後にファイルが削除される不具合発生


 米Microsoftは10月8日(現地時間)、Wordで発生していたファイルを保存後に削除されてしまうことがある不具合に関して、問題を修正したと報告した。


 この問題10月3日に報告されていたもので、WindowsのWord(バージョン2409)で発生していた。全てのファイルが削除されるわけではなく、ファイルの拡張子が大文字(.DOCX、.RTF)またはファイル名に#が含まれている場合に、ファイルを編集し手動で保存せず、Wordを閉じる際に表示されるプロンプトから保存すると発生する。


 Microsoftによると、10月8日に展開したサービス変更によってこの問題は修正されたという。開いている全てのOfficeアプリを閉じ、Wordを再度開くことで反映される。


●Windows 11 22H2/21H2がサービス終了


 Windows 11 22H2(HomeおよびPro)と、21H2(EnterpriseおよびEducation)のサポートが2024年10月8日(米国時間)に終了した。同日配信されたセキュリティ更新プログラムが最後となり、以降、セキュリティ更新プログラムは配信されなくなる。


 Windows 11 22H2は、2022年9月20日にリリース。Windowds 11のHomeおよびProには2年間のサービス期間が設けられており、2024年10月8日にサービス終了となった。対象となるのは以下のエディションだ。


・Windows 11 Home、version 22H2


・Windows 11 Pro、version 22H2


・Windows 11 Pro Education、version 22H2


・Windows 11 Pro for Workstations、version 22H2


・Windows 11 SE、version 22H2


 なお、Enterprise、Education、IoT Enterpriseに関しては3年間のサポート期間が設けられており、2025年10月14日までサポートされる。


 Windows 11 21H2は2021年10月5日リリース。すでにHomeとProのサポートは2023年に終了しており、EnterpriseおよびEducationも3年のサポート期間終了となる。対象となるのは以下のエディションだ。


・Windows 11 Enterprise、version 21H2


・Windows 11 Enterprise multi-session、version 21H2


・Windows 11 Education、version 21H2


・Windows 11 IoT Enterprise、version 21H2


●OneDriveに「Copilot Agent」など新機能を追加


 米Microsoftは10月8日(現地時間)、OneDriveに関するイベントを開催し、今後の新機能について紹介した。


 法人ユーザー向けには、OneDriveでCopilotが利用可能になった。OneDrive内の各ファイルを開かずに1つまたは複数のファイルを要約することができる他、ドキュメントからFAQを生成したり、複数のファイルの違いを比較したりもできる。


 さらに2025年には、OneDriveから直接、会議の要約を取得して、要点をまとめたり、実用的な洞察をまとめたりもできるようになる。ファイルをプレゼンテーションに変換する機能も提供されるという。


 カスタムAIアシスタントとなるCopilot Agentsも導入予定となっている。ユーザーが設計し、特定のニーズに合わせて調整されるカスタムビルドのAIアシスタントで、チーム全体で共有できる。Microsoft TeamsやSharePointなど、さまざまなプラットフォームでも動作する。


 この他、OneDriveのモバイルアプリも刷新される。写真中心のUIに変更され、自然言語で目的の写真を検索可能になる。モバイルアプリはAndroid版から先にアップデートされ、iOS版は11月に順次提供されるとのこと。


●JEITAが「Windows 10のサポート終了について」を開設


 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「PC・タブレット事業委員会」は10月9日、Windows 10のサポート終了に関する啓発ドキュメントを公開した。


 Windows 10は2025年10月14日にサポートを終了するが、ドキュメントはこれに伴い、Windows 11への移行を推奨する内容となっている。Windows 10を使い続けるデメリットを説明しつつ、Windows 11のシステム要件を満たしているかの確認方法が記載されている他、拡張更新プログラム(ESU)についても触れられている。


●Windows 11 24H2に初のパッチ 10月度セキュリティ更新プログラム登場


 米Microsoftは10月8日(現地時間)、現在サポートしているWindows 11およびWindows 10の全バージョンに対し、月例セキュリティ更新プログラムの配信を開始した。


 Windows 11(24H2向け)は「KB5044284 」、Windows 11(23H2/22H2向け)は「KB5044285」、Windows 11(21H2向け)は「KB5044280」、Windows 10(22H2/21H2向け)は「KB5044273」、Windows 10(1809向け)は「KB5044277」となる。なお、Windows 11 24H2向けのパッチは今回が初となる。


 本更新プログラムでは、CVE番号ベースで119件の脆弱(ぜいじゃく)性に対応した。このうち、深刻度を「Critical(緊急)」と評価しているのは以下の3件だ。


・CVE-2024-43468:Microsoft Configuration Manager のリモートでコードが実行される脆弱性


・CVE-2024-43488:Visual Studio コード Arduino 拡張機能のリモートでコードが実行される脆弱性


・CVE-2024-43582:リモート デスクトップ プロトコル サーバーのリモートでコードが実行される脆弱性


 また、深刻度は「High(重要)」と「Medium(警告)」だが、以下の2件は既に悪用の事実が確認されている。


・CVE-2024-43572:Microsoft 管理コンソールのリモートでコードが実行される脆弱性(High)


・CVE-2024-43573:Windows MSHTML Platform Spoofing Vulnerability(Medium)


 既に攻撃手法が知られている脆弱性も含まれており、できるだけ早めのアップデートを心掛けたい。


 なお、Windows 11 22H2(HomeおよびPro)、Windows 11 21H2(EnterpriseおよびEducation)向けには今回が最後のセキュリティ更新プログラムとなる。以降、セキュリティ更新は配信されないので、Windows 11 23H2または24H2への移行を検討してほしい。



    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定