話をしてみると、なんと、ランさんも引っ越しをしてきたそう。 しかも息子のケントくんはヒロトと同じ年!
ランさんは穏やかできれいな人で、年齢も近そうで……出会って早々意気投合しました。
新たな出会いに感謝。これからいろいろ楽しくなってきそうだな、そう期待したのです。
しかし私にはひとつ、気になることがあるのです。たまに会うその男性は、朝も夕方も会うことがあるのですが、こちらの挨拶をことごとく無視するのです。
後ろから声をかけても、正面から声をかけても、すれちがっても無視。
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私、不審者だと思われているのかな? とも思いながら、私もなんだか意地になって、無視されても挨拶をし続けていました。
そんなある日、エントランスでランちゃん家族に会いました。そして、驚くべきことにランちゃんの隣にいたのはあの挨拶無視男だったのです。
そう、挨拶無視男はランちゃんの旦那さんだったのです。「ランちゃんの旦那さんですか? はじめまして、カオリです。ケントくんとうちのヒロトが同い年で、仲良くさせてもらってます」
お互い自己紹介をして、これで顔見知りになったわけです。これからは当然、挨拶が返ってくるものだと思っていたのですが……。
自己防衛のために挨拶をしない人たちがいることは知っています。とくに若い女の子たちはそうしているんですよね。
しかし相手は男性で、こちらは子持ちの人妻。警戒されることもないはずです。
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これはもう三択だと思います。
「自己防衛のために挨拶しない」
「旦那さんに嫌われている」
「ランちゃんが家で私の悪口を言っている」
そういった疑心暗鬼で頭がいっぱいになってしまうのでした。
【第2話】へ続く。
原案・編集部 脚本・物江窓香 作画・かちこ 編集・石井弥沙
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