北の達人が“他社に負けないクリエイティブ”を作れるわけ 日常生活の中で「マーケ脳」を鍛えるためのポイントとは

0

2024年10月15日 17:10  ログミー

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ログミー

写真

“絶対に勝てるクリエイティブ”を作るための研修

樋田洋斗氏(以下、樋田):たぶん北の達人は、「広告の何がいいのか、悪いのか」みたいなやつ(研修)をやられていましたよね?

二見淳平氏(以下、二見):そうですね。それがさっき話した着眼法研修というやつです。

うちは広告の会社なんですが、めちゃくちゃSNSを見るんですよ。インスタの伸びている投稿とか、Xでバズっている投稿を着眼してきて、自分たちの広告に落とし込む。こうすると、うちの業界の中では絶対に勝てない、同業界には負けないクリエイティブが作れる。

僕も電車の広告を見たりとか、うちのメンバーはいいクリエイティブがあったら写真を撮って、それを着眼元として実際に広告を作る。これが一番最初の新人研修なんですが、これをやっていくだけでめちゃくちゃマーケティング力(が伸びる)といいますか、マーケ脳になっていくかなと思います。

坂井風太氏(以下、坂井):これは、右脳で捉えたものを左脳で再整理するということなんだと思うんですが、私も実体験があって。前職はゲーム事業部があった会社なので、ゲーム事業部にいたんですが、最初は何をやらされていたかというと、App Storeのスマホゲームのランキング50位以内の作品を全部触らなきゃいけないんですね。

「なぜ、どういう構造で人間が気持ちいいと思うのか?」と、触ったものの一番気持ち良かったポイントをずっと言語化しなければいけなくて。でも、確かにあれが右脳で捉えたものを左脳に転換するトレーニングだったので、良かったんだなと思っていましたね。

樋田:ありがとうございます。多くの人が何かを学ぶとなった時に、特にマーケに切り取って考えると、座学っぽいところに流れていきやすかったりすると思うんですよね。理論を知った気になれる、みたいなところが絶対にあるじゃないですか。

でも、今おっしゃっていたのって、どっちも自分の私生活や日常の中で(行えるトレーニング)。広告だったら、見たものがなんで良かったのかを考えてみるとか、坂井さんの話で言えば、自分がゲームをやってみて何が気持ち良かったのかを考えてみるとか。

「マーケティング能力を身につける」で言うと、SNSサミット自体を否定することになるかもしれないですが(笑)、座学とかではなく、シンプルに街中やスマホの中にあるんじゃないのかっていう着地になっちゃいますか?

二見:なっちゃいますね。

樋田:なっちゃいますね(笑)。

二見:ごめんなさい(笑)。

樋田:まだ1コンテンツ目なんですが。

二見:はい。ごめんなさい、本当に(笑)。

坂井:でも、そうなんじゃないですか。

思考を鍛えるためのトレーニング

坂井:みなさんがどう感じたかわからないんですが、司会者の方に対して「いい司会の回しとは?」という問いって、設定上すごくいいじゃないですか。MCのやり方ってめっちゃ言語化が難しいですが、実は今もトレーニングできる状況なのかもなと思っていました(笑)。

樋田:なるほど。SNSサミットは否定されるべきものではないと(笑)。

二見:最後まで見ていただいて(笑)。

坂井:だから、森羅万象を学習対象に置くというのが、すごく抽象化すると重要です。客観的にはわからないですが、「なんで今回の回しっていいのかな?」「良くない回しと良い回しの違いって何なのかな?」という、抽象化されたものに対して問いを持って分解するトレーニングは、どこでも積めるっていう話なのかなと思いました。

樋田:ありがとうございます。確かにそういう意味だと、今日のSNSサミットが2023年と大きく違うのは、いろんなコンテンツが幅広くあると思うんですよね。過去のSNSサミットから考えたら、僕らのコンテンツは異色オブ異色じゃないですか。

でも、可能な限り多くのコンテンツに参加して、アーカイブもあるのでそれをぜひご覧になっていただいて、自分がやっていることにどう転換するのかを考えてみる。こういうことが、ものすごく重要なんじゃないのかなと。きれいに落とせた感じがするのと、5分余ったので、せっかくなので質疑応答の時間を作りましょうか。

北の達人はどのようにKPIを置いている?

樋田:坂井さん、もしくは二見さんに、何系のことでも大丈夫ですよね? たぶんNGはないと思うので、残りの5分間をひたすら(質疑応答に)時間を使えたらなと思うんですが、聞きたいよっていう方はいてますか? いかがでしょう? じゃあ、そちらの男性の方にマイクを。

質問者1:ありがとうございました。

二見:ありがとうございました。

質問者1:個人の黒字化、KPIについてご質問したいです。

組織を作っていく中で、営業とかの人間に対してはそうなんですが、事務方、要はバックヤードの方々に対してどういったKPIを置くべきなのか。

KPIを置くことによって、それを狙いすぎて……得点化することによって助けるとか、感情で来ているものではなくて、数値のためにそういった動きをさせることも必要なのかどうか、バックヤード関係ですごく悩んでいて。答えていただけるとありがたいです。

二見:はい。当社の事例をそのままお伝えできればと思うんですが、結論、数字を求める部署と数字を求めない部署は分けています。

数字を求める部署と数字を求めない部署を分けるんですが、(数字を)求める部署も2つに分けています。クリエイティブのマーケターのように個人で分ける場合と、チームに数字目標を課して、その数字目標に対してチームでがんばろうっていう部署になります。

改革が推進できる人・できない人の二極化

樋田:坂井さんはどうですか? 何かありますか?

坂井:確かに、KPIを課す部署と課さない部署は分けたほうがいいなと思っていたんですが、私もバックオフィスの方と付き合うことがけっこうあるんです。バックオフィスの方でも、信頼されている人とそうじゃない人とか、改革が推進できる人とそうじゃない人に分かれているなっていうのは、けっこう感じるんですよ。

特に人事部門はそうなんですが、だいたい人事部門の人でリーダーシップがとんでもなくある人って、事業部門で個人成果の黒字化や商売人系を1回経験しているからこそ、説得力がかなり高い意見で人事施策を通せるなっていうのは、すごく思っていたんですよ。

「この人事施策をやるべきです。なんとなく会社が良くなりそうだからです」って言うと、だいたい通らないわけです。ただ、事業部門の個人成果の黒字化をやっている人の場合って、「いやいや、この事業ってこうやったら伸びると思うので、この人事施策を入れたほうがいいと思う」みたいなことがちゃんと言えるので。

目標設定の話とはちょっと別にして、やっぱりこういう経験はしたほうがいいよなと思っていた感じですね。

樋田:ありがとうございます。

SAKIYOMIが評価基準として持っている2つの軸

樋田:これ、ちょっと僕からもしゃべっていいですか? 管理本部長でバックオフィス側は一応見てはいるんですが、実はうちも定量まではいかないけど、限りなく評価にできるようにしている2つの軸を持っていて。

1個が、その管理部のメンバーが携わっているプロジェクトとか、その人が基本的にやった施策が、会社の中のどの範囲まで広がっているのかという指標。もう1個が、経営においてのインパクト度合いみたいなところ。この施策をやることが、中長期的に会社経営において(どれだけインパクトを与えたのかを見る)。

特にベンチャーはIPOを目指すと思うんですが、例えばIPOを目指しているとなった時に、その中で諸施策を整えなきゃいけないことって多くあると思うんですよね。当然、そうじゃないところで整えようとするところもあるとは思うんですが。

会社がIPOを目指しているのであれば、それに類するようなものは経営におけるインパクトが大きいよね、中長期的に誰かが辞めにくくなるような仕組みって経営インパクトが大きいよね、みたいな。この2つの軸から、半期のタイミングでレビューをかけていくことをSAKIYOMIの中ではやっていたりしますので、参考程度にお伝えさせていただきました。

「論理的に話す時」と「感情で話す時」の分け方

樋田:(残り時間)1分。(質問したい方は)います? ……1人だけいる。マイクを。

質問者2:ありがとうございます。じゃあ、簡潔に。今、非常に論理的にお話をされていたと思うんですが、感情で動くような社員さんや同僚さんがいると思うんです。例えば歳が離れていたり、違うバックグラウンドを持っていた時にぶつかってしまうことが多いんですが、それを解決するような施策はございますでしょうか?

二見:はい。個人的には、論理的に話す時と感情で話す時はめちゃくちゃ分けています。個人の話で申し訳ないんですが、めちゃくちゃ感情で話す彼女に鍛えられまして(笑)。

やっぱりこの人たち(感情で話す人)へのマネジメントってぜんぜん違っていて、数字で管理している時も、感情に寄り添ってあげるというのはやっています。施策じゃないんですが、当社はマインド面のケアの研修も外部から入れております。

そういったところで、マネージャー陣は、感情的に話すところと論理的に話すところを明確に分けています。簡潔で申し訳ないですが、以上です。

坂井:そうやって感情を論理で分解すると、けっこう当てはつけやすくなるはずです。論文でも、自己実現系の欲求を持っている人と貢献系の欲求を持っている人に分かれるので、そこに対して感情的に話すということだと思うんですけどね。

例えば前者で言うと、「○○さん。これになりたいって言ってたけど、それとつながるじゃないですか」というのが、自己実現系の人なんです。

後者の場合、実を言うとバックオフィスの人のワークモチベーション研究って、自己実現というよりは貢献系のほうが大きいとされていて。「○○さんが採用してくれたこの方のおかげで、うちの事業部はすっごく伸びたんですよ」って言うと、社会的貢献感をもとにしてワークモチベーションが上がることがわかっている。

だから、「ロジカルに分解して感情的にしゃべる」ということで、二項対立的な感じにならずにやれるかなと思いましたけどね。

二見:ありがとうございます。大丈夫です。

オリジナルコンテンツは「言語化した人」が伸びる

樋田:いったん質疑応答は終了で、最後にそれぞれ一言ずつもらいましょうか。

二見:はい。ちょっと宣伝チックにはなってしまうんですが、今日お話しした、僕らが徹底し尽くしたWebマーケの言語化の教育プログラムは、当社の採用を受けていただければ受けられます。

めちゃくちゃ採用色が強くなってしまうと申し訳ないんですが(笑)、当社は最近YouTubeを始めました。これも採用目的ではあるんですが、マーケティングの言語化だったり、僕らの密着もあるんですが、ぜひ見ていただけるとコンテンツとしてすごくおもしろいかなと思います。

「北の達人 マーケ YouTube」「北の達人 YouTube」で調べていただくと、走りたての、まだフォロワー数もぜんぜんいないYouTubeが見られるので、ぜひ見ていただけたらなと思っております。

坂井:SNSの話で言うと、テクニカルな「こうやるとXは伸びる」みたいなのは、あんまり信じないほうがいいんじゃないかなと思った時があって。あれって小手先のテクニックなので、どっちかと言えばオリジナルコンテンツは、言語化しにくいものを言語化した人のほうが結局伸びる。

すごく卑近な例で言うと、たぬかなさんって伸びていると思います。たぬかなさんがなんで伸びるかというと、みんながうっすら思っているけど言語化しきれないことを、うにうに考えて発信しているからなので。

あんまり小手先のテクニックに溺れると二番煎じになるので、「これってどういうことなのか?」っていう問いをうにうに考え続けられる領域で戦って、なおかつそれを発信するほうが、本当の戦いなんじゃないかなと思っていた感じですね。

樋田:ありがとうございます。SNSサミットを若干攻撃しかけたところではありますが、コンテンツの中身の中で言ったとおり、すべてのものが学びにつながるよねというところになっております。ちょっとお時間をオーバーしてしまいましたが、お二方、お時間をいただきありがとうございました。

(会場拍手)

    前日のランキングへ

    ニュース設定