現在、結婚13年目のぴーちさんが節約に目覚めたのは、新婚当初だった。
「お互い貯金ゼロで結婚、日々の暮らしには困らないけれど、将来的にはちゃんと考えなきゃと思い……。たまたま読んだ家計の本で『教育費とかこんなにかかるの!?』と、焦りました」
一つひとつは小さくても家計スリム化には効果大!
そこから節約スイッチがオン。生活費の見直しを続けつつ、子どもの誕生で4人家族に。家族が増えながらもコツコツと貯め、夫の手取り月収は約24万円、ぴーちさんは手取り約14万円でも、13年で4000万円の貯蓄に成功した。
「いろいろな節約を試しましたが、必要なもの以外にお金を出さないことがいちばん大事だと考えています。一時しか使わないものは買わないほうがいい。買わないで手作りするという選択肢もあります。なるべくモノを増やさない“小さな暮らし”を日々、心がけています」(ぴーちさん、以下同)
今回は家計のスリム化に効果があった8アイテムを伝授してくれた。
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「一つひとつは小さなものでもトータルの支出は確実に減ります。ストイックに切り詰めるだけではなく、年1〜2回、家族旅行など『ごほうび』がちゃんとあれば、家族みんなが協力してくれますよ」
1:大きい家具
掲示板をフル活用し無料で譲ってもらう
子どもの学習机、ロフトベッド、キッズチェア、ハンガーラック、衣装ケースなど大きめの家具類は、ほとんどいただきもの。
「私がよく利用するのは、無料や格安で欲しいものを譲ってもらえる地域の情報掲示板サービス『ジモティー』。小まめにチェックして、子どもたちの成長に合わせて必要になる家具をそろえました」
ほとんどは無料で譲ってもらい、お礼に菓子などを用意したが、それも数千円程度。
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「家具を新品で買うより、かなり安上がりでした。譲渡してくれる相手も地元なら、引き取りに行けば送料もかかりません。欲しいものがあれば頻繁にチェックしてみて。
今後、不要になって捨てるにもお金がかかるので、『ジモティー』に出品し、どなたかに譲るつもり。子どものおもちゃもほとんどがジモティーを通してゲットしました」
2:チューナー付きテレビ
モニターだけなら本体価格がかなり安い
地上波のテレビはほとんど見ないため、一般的なテレビは不要と判断。
「うちにあるのは地上波が受信できない『チューナーレステレビ』なので、通常のテレビより本体価格が安いんです。
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見られるのはYouTubeやアマゾンプライムなどのネット配信サービスだけになりますが、今はニュースなどもYouTubeでリアルタイムで見られるため、特に不便さは感じていません」
ちなみにニュース程度ならスマホの小さな画面でも十分。電気代の節約にもなる。
「地上波放送だと、購買意欲が刺激されるCMが入りますが、チューナーレステレビならそういったCMを目にする頻度も減りますよ」
3:〇〇シート
子どもの服をウエスにしシート代わりに活用
床拭きシート、トイレ掃除シートなど、場所や用途別で売られている清掃用シート。ぴーちさんは、子どものサイズアウトした衣類を切ったものをウエス(掃除用ぞうきん)にしてシート代わりに。
「床を拭いたり、トイレ掃除などに活用しています。トイレ掃除には市販の流せるトイレブラシの柄に折りたたんだウエスを挟んで使い、掃除する都度取り替えるように。
専用シートにはそれぞれの汚れに適した洗剤が含まれていますが、たいていの汚れは食器用洗剤と手作りの洗浄剤で落ちるので、それらを吹きつけてウエスで拭き取れば、専用シートがなくても十分きれいになります」
4:〇〇クリーナー
食器用洗剤とセスキ、クエン酸で家中ピカピカ
「洗剤の違いは汚れの種類の違いなので『場所別』は必要ありません。たいていの汚れは食器用洗剤か、手作り洗剤で解決します」
キッチンの油汚れや手あかなどの皮脂汚れは食器用洗剤でほとんど落ちると話す。
「私はセスキ炭酸ソーダを水に溶かした『セスキ水』と、クエン酸を溶かした『クエン酸水』も活用しています。セスキ水は油汚れや皮脂などの汚れ落としに最適。クエン酸水は水あかや尿汚れに強く、洗面所やトイレ掃除におすすめです」
どちらもコストはわずか数円。たまにしか使わない掃除用具を買う無駄が省ける。
「さらにアクリルスポンジを使えば、洗剤類なしで水だけで落ちる汚れも多いので、掃除では洗剤を使わないことも視野に入れてみて」
セスキ水の作り方
・水…500ml
・セスキ…小さじ1
上記をよく溶かす
クエン酸水の作り方
・水…500ml
・クエン酸…小さじ2
上記をよく溶かす
5:ペーパー類
ふるさと納税の返礼品で10か月分をゲット!
消費が早く地味に家計を圧迫してくるペーパー類。これらはふるさと納税の返礼品でまかなうのがぴーちさん流。
「トイレットペーパーは1万3000円の寄付金額で200m巻き×48個、ティッシュペーパーは1万2000円で220組が60箱届きました」
これは家族4人が約10か月使える量。自宅にストックする場所があるならおすすめだ。
「ペーパー類を返礼品にしている自治体は多いので、どれがいちばんお得か迷ったときは、『どちらがお得?計算機』というアプリが便利。数字を入力すると、単価がすぐ出ます」
6:パジャマ
しまむらのセール服をパジャマにすれば十分
「私は『しまむら』によく行くのですが、冬と夏、それぞれの終わりごろにたいていセールがあり、100〜300円ほどの爆安でトレーナーなどが買えます。それをパジャマにしており、普通の『パジャマ』は買っていません」
ちなみに子どもたちの服もしまむらを大活用。
「子どもはすぐ成長して服のサイズアウトが早いので、セール時に翌年のサイズの予想をつけてあらかじめ買っておくと、数千円のものが数百円までコストダウンできます」
7:乳液&ヘアオイル
スクワランオイルなら汎用性が高くコスパ◎
化粧品は単価が高く、そろえると家計にひびくことも。
「できるだけ化粧品のアイテム数を減らしたい。私は乳液やヘアオイルなど、油分を与える目的の化粧品は基本的に買わず、スクワランオイルを活用しています」
スクワランオイルは100mlで1000円程度、髪にも肌にも使えて1年弱は持つのでコスパもバツグン。
「低刺激なので、敏感肌の私でも問題なし。ポイントメイクを落とすクレンジングにも使え、汎用性が高いです」
8:バスタオル
洗濯しやすく節水・節洗剤にも!
風呂上がりにはバスタオルは使わず、普通のフェイスタオルで済ませている。
「バスタオルは大きい分、洗剤や水を使う量も多い。乾くのにも時間がかかるし干すのも手間。置き場所もとるので、わが家ではあまりメリットを感じないんです。
うちにあるのは縦が約70cmの少し大きめのフェイスタオルでやや厚めなのが特徴。大人の身体も十分拭けて、髪に巻いたりもできます」
教えてくれたのは……ぴーちさん●37歳の節約主婦ユーチューバー。チャンネル登録者は13万人を突破。平均的な年収のサラリーマンの夫、小学生と保育園の子どもと暮らす。初の著書『1年で300万円貯まる超節約術』(KADOKAWA)が発売中。
取材・文/遊佐信子 写真提供/ぴーち