「ポン酢」と言われたときは何を思い浮かべるでしょうか? 醤油色なのか、黄色なのか…obetomoさんが投稿した写真が話題に。
写っているのは、醤油ベースの調味料「味ぽん」。そしてもうひとつは…「ぽん酢」! 似たような商品名なのに、ぽん酢は半透明の黄色で、見た目がまったく違います。
obetomoさんの実家では後者ですが、夫さんの実家では、前者とあって「この黄色のぽん酢を知ってる人は日本人の中で1000人くらいしかいないはず!」と断言されてしまったそうです。ちなみに、ご夫婦ともに神奈川県出身と考えると、地域性ということもなさそうです。
そして、黄色のぽん酢に対して、「ほぇー初めて見た」「旦那さんが仰ってる通りです。多分…ほとんどの方が味ぽんをポン酢と思っております」「味ぽんをぽん酢って呼んでた…」といった、ポン酢=「味ぽん」派が多数。
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それに対して、「めっちゃ知ってる。実家にもある。ツレの実家にもある」「関東では黄色のぽん酢。一般的ですけどね」「最近居酒屋で「ポン酢サワー(黄色いほう)」が流行ってるので、知名度も上がった気がします」というポン酢=「ぽん酢」派。
obetomoさんがコメントを分析すると…おおよその割合となりますが、以下の結果に。
6割…知らなかった
3割…知ってるけど、使ったことない
1割…使ってる
「味ぽん」「ぽん酢」の販売元である「ミツカン」(本社:愛知県半田市)のマーケティング本部の伊山裕人さん(通称:ゆうぽん)に、誕生秘話や知名度の差など、くわしい話をお聞きしました。
「ぽん酢」「味ぽん」、どっちが先に誕生?
――「ぽん酢」や「味ぽん」が誕生した経緯を教えてください
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「ぽん酢は、かんきつ果汁に醸造酢を加えた調味料です。味ぽんより歴史は古く、1960(昭和35)年に発売されました。元々「ポン酢」という一般名称は、オランダ語でかんきつ果汁を指す「ポンス」からきています。「ぽん酢」は発売当時から、醤油+ぽん酢を半々にして混ぜ、鍋料理や湯豆腐の調味料に使用していただいておりました。
ただ、まろやかさが無かったことから、独自の鍋専用調味料の開発がスタートし、1964年(昭和39年)11月10日、「ミツカン ぽん酢<味つけ>」が関西で試験的に販売されました。その後1967年秋に「ミツカン 味ぽん酢」に名前を変えて、全国で発売されることになったんです」
――もともと両方の名称が“ぽん酢”で、味ぽんは関西出身なんですね! 知名度の差はありますか?
「全国での認知率は、味ぽん95%、ぽん酢35%ほどと、圧倒的に味ぽんが知られていますね。売り上げも味ぽんが圧勝で、ぽん酢の130倍となっています」
――認知率に地域差はあるのでしょうか?
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「味ぽんはどのエリアも94%〜96%くらいで大差なく、ぽん酢は関西よりも四国や関東が高くなっています。明確な理由は不明なのですが、四国は柑橘産地というのも関係あるかと。また、レモンサワーのようにぽん酢の柑橘風味を活かしたドリンク提案もして認知率UPを狙っています」
――ぽん酢サワー、今関東を中心に人気が広がってきているようですね。
「そうなんです。ぽん酢サワーは東京の幡ヶ谷にある串カツ店の店長さんが味ぽんと間違えてぽん酢を発注してしまい、何かに使えないかと考えた結果、誕生したメニューと聞いております。徐々にメニュー化していただくお店も増え、2019年と2023年を比較すると約1.2倍の売上となっています」
※ぽん酢サワーが飲めるお店は「ぽん酢× お酒 で「ぽん酢サワー」| ミツカン (mizkan.co.jp)」から確認が可能です。
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味ぽんが全国的に爆発的な人気を集め、その陰に隠れてしまっているぽん酢。しかし昔からの愛用者も多く、obetomoさんも自宅に2種類常備しているそうです。「わたしは酸っぱいのが好きなのでぽん酢+醤油(3対1くらい)で混ぜてます」とobetomoさん。餃子、鍋、からあげ、とんかつなど何に付けても美味しいそうですよ。
そして全国認知率95%と、もはや国民的調味料と言っても過言ではない「味ぽん」、今年の11月10日で60周年を迎えます。「東海道新幹線」のコラボをおこない、味ぽん小袋付きのからあげ弁当の販売、新幹線がデザインされた限定味ぽん(11月5日から)。また、「味ぽんの日」である11月10日に、「ドクターイエロー味ぽん(T4編成)」の運行イベントを開催。いずれも、詳細についてはXや公式サイトにて。
※「味ぽん」は(株)Mizkan Holdingsの登録商標です。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・福尾 こずえ)