大地震に襲われたタイガー魔法瓶、信じられない光景に目を疑う 4割弱が「想像できなかった」事態とは…

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2024年10月17日 04:50  Sirabee

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Sirabee

(©ニュースサイトしらべぇ)

ユーザーが水筒に求める要素といえば、軽さ、内容量の大きさ、保冷の持続力、洗いやすさなどが挙げられると思うが、忘れてはいけないのが、耐久性。

さて水筒の耐久性といえば、100年前に関東地方を襲った大地震に関連した「とんでもないエピソード」が存在するのをご存知だろうか。

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■100本の魔法瓶を襲った大地震

Sirabee編集部では以前、1923年(大正12年)に関東大震災が発生した際、タイガー魔法瓶が商店に納入した「100本の魔法瓶」の状態に関するアンケート調査を実施したことが。

大阪府に本社を構える同社だが、じつは関東大震災が発生する3カ月ほど前から東京へ進出。そんなタイミングで、予想だにしなかった非常事態が発生してしまったのだ。

さて、関東大震災の影響により、100本の魔法瓶のうち「何本か割れてしまった」かを、読者諸君もぜひ考えてみてほしい。

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■ヒント:関東大震災はマグニチュード7.9

アンケートの結果、最も多かった回答は「全く割れなかった」(65.3%)となり、「ほぼ半分」(23.1%)、「ほぼ全て」(11.6%)が続いた。

なお、「全く割れなかった」という回答は男女共に40代が最も多く、反対に若年層は「ほぼ半分」と「ほぼ全て」という回答がやや多い傾向にある。

100年が経過して人類の科学は飛躍的に進歩したが、現代の我われから見ても、関東大震災の「マグニチュード7.9」という規模感は非常に恐ろしい。

ましてや当時は大正時代。流石のタイガー魔法瓶の製品と言えど、大半が割れてしまった…と考えるのが自然だろう。

そこで今回は、タイガー魔法瓶に当時のエピソードを詳しく聞いてみることに。すると、思わず耳を疑う「衝撃の舞台裏」が明らかになったのだ…。

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■100年前の魔法瓶事情に驚き…

じつは、タイガー魔法瓶が創業したのは、奇しくも関東大震災と同年の1923年。当時は「虎印魔法瓶製造卸菊池製作所」という名称であった。

当時の情勢について、タイガー魔法瓶の担当者は「1923年、創業当時の魔法瓶はガラス製で、その評価は『値が張るのに割れやすい』というものであり、約90%が中国・東南アジアなどの海外に向けて輸出されていました。国内の潜在的な需要は大きな可能性を秘めていましたが、創業者の菊池武範は独立以前より『品質を改善しなければ、いずれ魔法瓶市場が先細りになる』と考えていました」と振り返る。

武範の信念は「商品を作り出す以上、人々から喜ばれ、愛されるものでなければならない」というもの。つまり、割れやすい魔法瓶では、たとえ利用客からいっとき喜んでもらえたとしても「愛される商品にはならない」と、理解していたのだ。

そこで同社は、従来の魔法瓶の最大の弱点でありながら、半ば放置されていた「割れやすさ」を克服するべく、新商品の開発に挑んでいく。

具体的な過程として、タイガー魔法瓶の担当者は「まずは良質な材料として、当時その数を増やしていた中瓶製造業者の中から、ひときわ割れにくいガラスの中瓶を仕入れます。そしてケースと中瓶の間に段ボールを入れてクッション性を持たせ、中瓶を衝撃から守る独自構造を開発します」「また、本体ケースは一般的なブリキではなく、真鍮を肩と底に、亜鉛引鉄板を胴体に使用し、サビにも強い魔法瓶を目指しました」と説明している。

かくして創業年である1923年に「小判型虎印魔法瓶」が発売され、その高い品質とデザインは地元・関西で大きな人気を博していく。満を持して同年6月、東京への進出を果たしたのだ。

そして運命の9月1日、同社が東京で取引を初めて間もない時期に、マグニチュード7.9という途方もない大地震が関東地方一円に襲いかかる。

これ以上ない「最悪」のタイミングと言える大災害。しかし、他ならぬこの関東大震災こそが「虎印魔法瓶」の評価を一挙に高める要因となったのだ。

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■これは伝説になる…

関東大震災の影響により、商店に保管されていた魔法瓶の大部分は壊れてしまった。しかしなんと、虎印魔法瓶が納品した100本の魔法瓶は、全て無傷で残っていたのだ。

タイガー魔法瓶担当者は「1本も壊れなかったという事実はすぐに業界に知れ渡り、東京中から注文が殺到。3年後には東京市場の85%を占めるまでになりました」と、反響の大きさについて説明している。

令和の現代に生きる我われから見ても、じつに驚異的なエピソード。当時の人々からすれば、正に「魔法瓶」の名に相応しい魔法のように感じられたことだろう。

もちろん100年の時を経て、同社の魔法瓶の性能はさらなる向上を見せている。

担当者は「大きな違いはやはり、ガラス製・ステンレス製の材質となります」と断言。現在ではステンレスの魔法瓶が主流となっており、同社では1981年よりステンレス製のボトルを発売している。

80年代は魔法瓶業界で見ても転換期に当たるようで、担当者は「85年には、ステンレス製の国内向け携帯用魔法瓶出荷総数が、ガラス製を上回るという急成長を見せました」とも補足していた。

タイガー魔法瓶のステンレス製魔法瓶が急速に普及した理由について、担当者は「『割れない』という大きなメリットに加え、研究努力により保温力の増強、コンパクト化、軽量化など商品のベースになる性能を向上させたことによるものと考えております」と分析。

続けて「ただ、創業当時のガラス製であっても『割れやすい』というイメージを覆す魔法瓶を目指し、創業者・武範の『商品を作り出す以上、人々から喜ばれ、愛されるものでなければならない』という信念と重ねた工夫により、上記の関東大震災の際のエピソードに繋がっており、その想いは現在も変わっておりません」と、1世紀に渡って変わらない同社の熱い思いを語ってくれたのだ。

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■100年間変わらない思い

なお、今回アンケートを実施した関東大震災にまつわる1件は、やはりタイガー魔法瓶内でも「語り継がれているエピソード」だという。

ちなみに、関東大震災から100年の節目にあたる2023年10月には、新聞紙が1部あれば、電気が無くともご飯が炊ける防災に役立つ野外炊飯器「魔法のかまどごはん」を発売している。

今回のアンケート結果を受け、担当者は「無傷で残った祖業の虎印魔法瓶は、創業者・武範の『母親が淹れてくれたような温かいお茶が飲みたい』という思いから生まれた商品で、ものづくりの工夫が詰まったものです」「創業100年を迎えたこれからも、タイガーならではの誠実・実直なものづくりの姿勢を大切にしながら、日常生活の中で愛される製品をつくり続けることに邁進してまいりたいと思います」と、真っ直ぐなコメントを発していた。

100年という長きに渡り、日本人が飲み物を入れ続けてきたタイガーの魔法瓶。ここから100年後も変わらず、我々の生活に寄り添い続けてくれることだろう。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee編集部・秋山 はじめ 取材協力/タイガー魔法瓶)

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年9月3日〜2024年9月9日 対象:全国10代〜60代男女718名 (有効回答数)

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