【箱根駅伝予選会】順大わずか1秒差で東京農大と明暗…あわや落選から10位滑り込み本戦出場権

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2024年10月19日 15:11  日刊スポーツ

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ゴール手前を力走する順大・浅井(撮影・滝沢徹郎)

<第101回箱根駅伝予選会>◇19日◇東京・陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園◇ハーフマラソン(21・0975キロ)



箱根駅伝総合優勝11度の名門・順天堂大が“1秒差”で本戦出場を決めた。エースの浅井皓貴(4年)が日本人2位の力走を見せるなど11時間1分25秒で10位に滑り込んだが、落選した11位の東農大とのタイム差はわずか1秒差だった。


ずっと当落選上の苦闘が続いた。15キロ通過時点で12位。17・4キロ地点は10位まで浮上したが、11位とはわずか3秒差。最終結果を聞いた長門俊介監督は「15キロでどうなるかと思った。“1秒が大事だよ”とずっと言ってきた。粘り強く走ってくれた」と、目を真っ赤にして選手を労った。


21年度は箱根で2位と優勝にあと1歩に迫り、22年度も3大駅伝すべてで4〜5位。ところが上位を狙った前回の箱根で17位に沈んだ。パリ五輪3000メートル障害代表のエースの三浦龍司が卒業し、春には主力に故障者も出て、6月の全日本選考会は17位で出場権を逃した。「積み上げてみたものが崩れかけた」(長門監督)という。


窮地を救ったのが故障明けの浅井だった。粘り強い走りで1時間3分49秒で日本人2番目にゴールに飛び込んだ。「暑さにやられないように後半の粘りを意識して体力を温存して走った。4年生として最後に悔いを残したくなかった」と振り返った。


5月に右足首を痛めてチームを離脱。全日本の選考会にも出場できず、走れるようになったのは8月中旬から。今回の予選会も出場が危ぶまれたが「全日本の選考会で何もできなかったので、何が何でも自分が引っ張ってやろうと思い、覚悟を決めて2カ月間練習してきた」(浅井)


今年1月の箱根では花の2区で19位とブレーキになった。そのリベンジの思いも強い。「前回は自分の走りでチームの流れを崩したので、今年は最終年でもあるので、しっかりリベンジしてみんなで笑えるようにしたい」と、早くも浅井の視線は来年1月の箱根路に向けられていた。


今年度からOBで箱根で3年連続5区区間賞を獲得した“元祖山の神”今井正人氏がコーチに加わった。レース中は「1秒、1秒」と声をかけ続けた。くしくもその1秒差が明暗を分けた。「この1秒を大切にするということで、選手が搾り出してくれた。本戦でも生かしていきたい」と今井コーチは振り返った。


今年のチームのスローガンは「下克上」。選手たちが話し合って決めた。「ウチは20番目のチームです。下克上を果たせる準備をしていきたい。何校振り落とせるか。戦える選手はいる。シード権獲得じゃなくて5位以内を狙っていきたい」。長門監督の選手たちへの期待が、大きく膨らんでいた。【首藤正徳】

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