<第101回箱根駅伝予選会>◇19日◇東京・陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園◇ハーフマラソン(21・0975キロ)
1秒差が箱根駅伝本戦切符の命運を分けた。総合優勝11度の名門・順大が、浅井皓貴(4年)の日本人2位の力走などで11時間1分25秒で10位に滑り込み、14年連続66回目の本戦出場を決めた。
11位で落選した東農大との上位10人の合計タイム差はわずか1秒だった。立大が1位通過して3年連続30回目の出場を決めた。個人では日大のシャドラック・キップケメイ(2年)が2年連続1位。日本人は中央学院大の吉田礼志(4年)がトップ(全体10位)だった。
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結果発表を聞いた長門監督は目を真っ赤にして選手を労った。「“1秒が大事だ”とずっと言ってきた……選手は粘り強く走ってくれた」。15キロ通過は12位。17・4キロで10位に浮上も11位とは3秒差。後半は当落線上のレース展開を祈るような気持ちで見守った。
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故障明けのエース浅井が日本人2位の力走で貢献した。5月に右足首を痛めてチームを離脱。走れるようになったのは8月中旬から。予選会の出場も危ぶまれたが「何が何でも自分が引っ張ってやろうと思い、覚悟を決めて2カ月間練習してきた」(浅井)。
上位を狙った前回の本戦でチームは17位に沈んだ。2区19位でブレーキになった浅井は「自分の走りでチームの流れを崩した。今年はリベンジしてみんなで笑えるようにしたい」と、予選会後、早くも来年1月の箱根路に視線を向けた。
21年度は本戦2位。22年度も3大駅伝すべて5位以内。ところが今年に入って歯車が狂った。パリ五輪3000メートル障害代表の三浦龍司が卒業し、主力に故障者も出た。6月の全日本選考会は17位。「積み上げてみたものが崩れかけた」(長門監督)が、予選会で何とか踏みとどまった。
06年の国士大と拓大も1秒差だったが、当時は関東インカレの順位などのポイントも記録に加味されていた。実際のレースのタイム差では今回が事実上の最小。「今年のスローガンは“下克上”。20番目のチームですが、本戦では5位以内を狙っていきたい」と長門監督。1秒の明暗で、名門復活へ希望の光が差してきた。【首藤正徳】
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