早慶、MARCH…大学附属校は「中学受験」より「高校受験」のほうが狙いやすい説の真相

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2024年10月19日 21:50  All About

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「中学受験より高校受験のほうが大学附属校に入りやすい」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。「大学附属校」の受験に関して、教育系インフルエンサーとして首都圏の受験情報を発信する東田高志(東京高校受験主義)先生に聞いてみました。
首都圏の大学附属校といえば、「早慶」(早稲田大・慶應義塾大)を筆頭に「GMARCH」(学習院大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)の附属校が続きます。

中学受験でも人気が高いこれらの大学附属校が、「実は高校受験のほうが入学しやすい」という噂は本当なのでしょうか? 東田高志(東京高校受験主義)先生に聞いてみました。

「中学受験より高校受験の方が入りやすい」は本当だった

東田先生によれば、高校受験のほうが附属校合格のハードルは低いと言います。

「理由はいくつかあり、まず入試の仕組みがあります。中学受験は算・国・理・社の4教科ですが、高校受験は英・数・国の3教科であること。

そして高校受験には、ペーパーテストによる一発勝負のほかにも推薦入試や書類選考などの入学手段があり、多くの子どもに入学チャンスがあることが挙げられます。熱心な家庭がすでに中学入試で離脱していること、高校からしか入学できない附属校があることも影響していますね」

中学受験の合格者数が「ほぼ定員どおり」であるのに対し、高校受験では「定員を大幅に超えた」合格者を出します。

高校受験では多くの大学附属校が併願できる日程になっていることや、公立校との併願者の存在によって辞退者が多く出ることが要因です。

「早慶附属」中学受験で残念→高校受験で合格も

ただし、「入りやすい」=「簡単に入れる」という話ではありません。難関校を目指すなら、中学受験でも高校受験でも、相当量の勉強をこなすことが必要になってくると東田先生は言います。

「目指す学校によっては、高校受験であっても困難な学校もあります。少なくとも中学2年生からの通塾が必要で、学校での学習範囲を大きく超えた特別な勉強をする必要もあります。

そして中学入試・高校入試ともに、入試問題は年々“難化傾向”にあるので相応の対応力が求められます」

中学受験で大学附属校に届かなかった子が、高校受験で合格するケースもあるそう。

「12歳と15歳とでは、馬力が違います。小学校6年生の頃には21時頃に眠くなってしまっていた子が、中学3年生になる頃には夜中まで勉強できる体力をつけてくることはよくあります。

中学受験の頃は勉強に費やす体力がなかった子が、高校受験だと目指せる可能性が出てくる。子どもの体力、成長具合から判断して、高校受験の方が向いているケースはありますね」

「早慶付属」は大学受験が“さらに”合格に近い!?

最終的な目標が附属校への入学でなく、その先にある大学への入学だった場合、附属校からの内部進学より大学受験のほうが有利な場合もあるとのこと。

例えば、高校受験で早慶附属校にまったく届かなかった子が公立高校に進学後、早い時期から早慶大に照準を合わせた対策をして合格していくケースがあるといいます。

大学受験の方が向いている子はどのようなタイプなのでしょうか。

「受験の仕組みでみていくと、まず、早慶大の受験では数学が必須ではないため、数学より英語が得意な子には有利といえます。

また早慶大の理工学部を目指す例で考えてみると、国語が苦手な場合に大学入試で国語をパスする選択肢もあり、ほかの得意教科で勝負することも可能になります。

最終的にどの学校のどの学部を目指したいかによって、自分の得意教科で勝負できるタイミングを狙うのが得策だといえるでしょう」

もちろん、大学附属校は「入りやすいかどうか」だけが優先される世界ではありません。

「早い時期から附属校に入ることで、受験に縛られないさまざまな学びができることをメリットだと感じる家庭もあるでしょう。単純に『入りやすさ』だけでは判断できない、それぞれの家庭の価値観や、メリット・デメリットを考慮して柔軟に選択してほしいと考えています」

東京高校受験主義(東田高志)プロフィール

Xで4万7000フォロワー(2024年10月現在)がいる教育系インフルエンサー。首都圏の受験情報を毎日配信している。実生活では、20年のキャリアを持つ塾講師。長年、学校と塾の変化を見続け、小中学生を教えてきた。おもに首都圏を中心とした教育ウォッチャーでもある。フィールドワークとして都内各地の公立中学校や都立高校を訪問、区議会議員とのコラボイベントも開催している。
(文:東京高校受験主義(東田高志))

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