60歳からの「オトナ再婚」にモヤる。「しょせん家政婦」を“自称”高年収プロフで釣る気なの?

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2024年10月19日 22:10  All About

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50歳や60歳になってから、再婚相手やパートナーを求める女性は世にいるが、どうも相手がみつからないという。原因は男性側の「考え方の古さ」。女性に対してくだらない見栄を張ったり、女性を下に見る発言を連発したりするのだ。
未婚のまま年を重ねたが結婚したいと思うようになった人、死別や離婚で一人なったものの子どもが巣立ったためにパートナーを求める人など、今後は再婚や再々婚など一人が増えていくのではないだろうか。

ところが「再婚はハードルが高すぎる」と嘆く女性たちも少なくない。同世代の男性たちと、何が大きく乖離(かいり)しているのだろうか。

59歳で婚活をはじめてみたところ

「マッチングアプリや結婚紹介所を使って、再婚したい男性たち30人くらいと知り合い、10人と会ってみたんです。付き合ってみたいと思ったのは2人だけ。その2人も結局は、人としてのつながりを求めていたとは思えなかった」

そう嘆くフミコさん(59歳)。27歳で結婚し、男女2人の子に恵まれたが、50歳の時に夫が急逝した。それからは娘と2人で暮らしていたが、その娘も転勤で遠方へ旅立っていったのが3年前。

「1年くらいは仕事をしながらひとりでのんびり暮らすのが楽しかったんです。でもそのうち、長い夜が怖くなった。仕事から帰って一人で簡単な夕飯を作って食べて。それから何もすることがない。

早く寝てしまえば早く目覚めて、会社に行くまで時間を持て余す。『何か趣味でも始めればいいじゃない』と娘に電話で言われたけど、私はやはり家族がほしい、夫がほしいんだと痛切に感じました」

“自称”年収1500万円男性の服装に違和感

そこで職場の仲間にマッチングアプリを教えてもらい、結婚紹介所主催の再婚パーティーなどにも顔を出すようになった。ところがプロフィールにいちいち引っかかってしまう。みんな収入を高めに記入しているような気がすると彼女は言った。

「いいかっこしたいと思っているのが見えた時点で、私は会いたくないなあ、と。それでもみんなそんなものだからと無理に会ってみると、やっぱりどこか見栄を張っているのが透けてみえる。

パーティーで知り合った6歳年上の男性は、年収1500万はありますと言いながら、裾がすり切れたズボンをはいているんです。普通なら直すだろうし、そんなズボンをパーティーにはいてはこないでしょ。気づかないだけだとしたら、あまりにも鈍感。

自分をよく見せるのは収入だけで、そこに女は食いついてくるはずだという思考回路が嫌ですよね」

男性たちが求めるのは「しょせん家政婦?」

なかなかシビアなフミコさん。付き合いたいと思った2人についても、最終的には「家事をやってくれて自分を愛してくれて、セックスさせてくれる女性がほしいだけ」と一刀両断だ。

「何度かデートした60代半ばの男性は、人間にはやはり性的な関係も必要だと思うんですよとやけに力強く言うんです。だから『中折れしたことありませんか?』って聞いたら、『失礼だ!』と怒り出して。性的な関係って言い出したのは向こうですからね。

60代半ばなら中折れくらいあっても不思議はない。つまりは、女性が性的なことについての考えを述べるのが嫌なんですよ。それがわかったからデートは打ち切りました」

すっかり疲れ果てて、今、アプリもパーティーも休んでいる。

女を「下に見る」男性の多さに驚く

年齢的なこともあるのだろうが、50代、60代以上の女性たちがパートナーや異性の友人を求めようとした時、同世代の男性たちの「考え方の古さに驚く」という声は多い。

「女に言われたくないという思いがにじみ出ることがあるので、そういう時は『会話を続けるのは無理ですね』と、私もさっさとデートを切り上げます」

カズコさん(61歳)は苦笑した。還暦を過ぎているとは思えないほど外見も身のこなしも若々しいカズコさんは、ダンスのインストラクターをしているという。

「生徒さんは主に同世代なのですが、レッスンだけだとみんないい人だし、明るくて楽しいんです。でもある時、私を囲んで飲み会をしようということになり、男女問わずみんなで集まったら、彼らの失言オンパレードに女性陣はびっくりの連続でした」

そもそも、男性たちは飲み物を女性から注がれるのを待っている。最初だけはと女性たちも注いだものの、その後は料理を取り分けてもらうのを待ったり、「店の人にビール追加って言ってくれる?」とまるで部下を使うように女性に指図する男性まで現れた。

女性が飲み物を注ぐのは当然?

「さすがに私、ムッとしてしまって『皆さん、女性に飲み物を注いでもらおう、料理を取り分けてもらおうとしないでください。男性が女性に取り分けるくらいでないと、今どきモテませんよ』と冗談めかして言ったんです。その時は雰囲気も悪くなかったんですが、そのうち酔っ払う男たちが現れた。

『うちの妻は、結婚した時より20kgも太った。女として見られるはずがない』とまで言った男に、私は『奥さん、ストレス太りじゃないですか。あちらだって夫を男として見てないでしょう』と言ってやりました。女性陣から拍手が出ましたね」

なんとか雰囲気をごまかしながら、さっさと一次会で撤収。その後、3人の女性とカズコさんはお茶を飲みながら、「レッスンの時とまったく違う男たちの素顔を見ましたね」と盛り上がった。

「3人のうち2人は結婚しているんですが、『うちの夫もあんな感じ』と顔をしかめていました。私は家庭の事情で結婚しそこなって、この年齢になってしまったんですが、まあ、それもよかったのかなとさえ思いました」

今後も一人だと寂しいなと思っていたのだが、結婚してストレスを抱えるくらいなら一人のほうがいいという結論に落ち着いたという。

「もちろん、女性を下に見ない男性がいることも知っています。そういう人と巡り会えたら、結婚はともかくパートナーとしてそばにいたいとは柔軟に考えていますけどね」

一人の寂しさは、相手のいるストレスよりマシ。大人の婚活をする女性たちの中には、そう思い始めている人も少なくないのかもしれない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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