2023年冬シーズン しっかり感染症対策していた人→6割に症状 免疫面も考えて

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2024年10月20日 06:10  まいどなニュース

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2023年冬に感染症対策を行っていた人のうち、約6割に「感染症の症状が出ていた」 ※画像はイメージです(yamasan/stock.adobe.com)

キリンホールディングス株式会社(東京都中野区)は、自分自身の体調を守るために重要な「免疫のケア」を啓発する官民連携活動「げんきな免疫プロジェクト」の一環として実施した「昨年冬の世帯感染率調査」の結果を発表しました。同調査によると、2023年の冬(11月〜2月)に感染症の対策を行っていた人のうち、約6割に軽微な風邪を含む「感染症の症状が出ていた」ことがわかりました。

【グラフ】感染対策を行っていた人が発症した感染症の症状は?(調査結果)

調査は、全国の20〜70代の男女1000人を対象として、2024年9月にインターネットで実施されました。

国立感染症研究所の調べによると、2024年9月9日から9月15日までの1週間(第37週)において、定点医療機関あたりの「手足口病」患者数が5.0人を超えて「警報レベル」に達したのは36都道府県でした。

また、「マイコプラズマ肺炎」については、東京都で2024年9月16日から9月22日までの1週間(第38週)に報告された1医療機関当たりの患者数は「2.8人」で、統計を開始した1999年以降、過去最多の患者数となっています。

同社が実施した「昨年冬の世帯感染率調査」によると、2023年の冬(11〜2月)に、「風邪やインフルエンザ、コロナウイルスを含む感染症対策を行っていた」(十分に行っていた37.3%、やや行っていた40.4%)と答えた人は全体の約8割となり、新型コロナウイルスの流行以降、大半の世帯においては、引き続き感染症対策が実施されていることがうかがえました。

その一方で、「感染症対策を行っていた」と答えた773人のうち、57.6%が「本人または家族に軽微な風邪を含む何らかの感染症の症状が出ていた」と回答したことが明らかになっています。

「罹患した症状」の内訳をみると、「風邪症状」が52.6%と約半数を占める一方で、「新型コロナウイルス」(9.3%)や「インフルエンザ」(6.4%)など、風邪以外の感染症の症状が出た人は15.9%となり、多くの世帯で対策が行われているにも関わらず、重い症状を伴うものも含め感染症を防ぎきれていなかったことがうかがえました。

   ◇  ◇

このような調査結果を踏まえて、イシハラクリニック副院長の石原新菜医師は、「感染症が猛威を振るう今年の冬を元気に過ごすための対策」として以下のように解説しています。

【感染対策を行っていても防ぎきれない背景には複数の要因が...】
冬は低温・低湿度を好むウイルスにとって最適な環境で、夏よりも長く生存することができるため、感染症にもっとも罹患しやすい季節と言われています。特に、乾燥した空気によって喉や鼻の粘膜が乾燥することで病原体のバリアとなる粘膜の機能が弱まったり、日照時間の短縮によってビタミンDが不足したりすることによる免疫機能の低下が感染の原因となる場合があります。

疲労やストレスなどが続くと、自然免疫力が低下し、感染症に対する抵抗力が下がってしまうことがあります。また、冬は他の季節に比べ、屋内で活動することが増え、加えて、寒さのため部屋を換気する機会も減り密閉された空間で過ごす機会が夏場より多くなりがちなので、感染が広がりやすくなります。インフルエンザなどにはワクチン接種も有効な予防法として挙げられますが、頻繁に遺伝子変異を起こし、ワクチンで予防できる株と、変異したために効果がない株が共存することがあり、感染を防ぐことが難しくなります。

【基本的な対策に加えて取り入れたい”免疫のケア”について】
感染症を防ぐための基本的な対策として、手洗い、うがい、マスクの着用により手指や呼吸器を介してウイルスや細菌を体内に入れないことが重要です。手にはさまざまな細菌やウイルスが付着している可能性があり、手洗いによってそれらを物理的に洗い流すことができます。うがいは、口腔内に付着したウイルスや細菌を洗い流すことができる気道感染症の予防に効果的です。マスクは、飛沫を介した感染経路を遮断するのに有効です。

ただ、これらの対策を行っても感染症を100%予防できるわけではありません。外から入ってくるウイルスや細菌を防ぐだけでなく、入ってきたものに抵抗する免疫を高めておくことも重要です。

そこで、大切になってくるのが、”免疫のケア”です。特に冬は日照時間が短くビタミンDが不足しがちなので、サプリメントや食事で補うことが重要です。また、野菜や果物、良質なタンパク質を摂ることで、免疫システムの機能を高めてくれます。

腸内環境を整えることも免疫機能を高めることに効果的です。全身の免疫細胞の7割は腸の粘膜にいると言われており、腸内環境を整えるために善玉菌を含む発酵食品やそのエサとなる食物繊維を意識して摂るとよいでしょう。

また、日照時間の短縮によって生活リズムが乱れやすいですが、特に冬場においては、7〜8時間の質の高い睡眠を確保し、外が寒くても、適度な運動を継続することが免疫力の維持に欠かせません。

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