【競泳】現役続行“鉄道マン”深沢大和が世界へ「出る試合は全部勝つつもり」日本短水路選手権V

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2024年10月20日 19:14  日刊スポーツ

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競泳の日本短水路選手権男子200メートル平泳ぎ決勝を制し、タイムを確認する深沢大和(撮影・松本航)

<競泳:日本短水路選手権>◇20日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇男子200メートル平泳ぎ決勝



“鉄道マン”の深沢大和(24=東急)が頂点に立ち、世界短水路選手権(12月、ブダペスト)での初代表切符を確実にした。


2分2秒97で優勝し、2位でパリ五輪(オリンピック)代表の渡辺一平(トヨタ自動車)を0秒74差で振り切った。25メートルプールで行われる国内最高峰のレースを制した直後は控えめに喜び、取材エリアで「うれしかったんですけれど、喜びすぎるのもあれかな…と思って。すごくうれしいです。これが初代表。世界の舞台で、今の世界のトップ選手と戦いたいと思っていました。その切符を手に入れられて、すごくうれしく思います」とかみしめた。


少し前まで、人生の進め方は自分でも分からなかった。23年春に東急へ入社。社会人1年目は東横線の田園調布駅などで勤務した。一方でパリ五輪出場を目指したい思いを会社に伝え、同年秋から24年3月の五輪代表選考会まで水泳に専念した。


迎えた大一番は200メートルで派遣標準記録を切りながら3位。上位2人の五輪切符は、近そうで遠かった。


4月からの3カ月間はプールから離れた。社業で都市開発に携わる希望もあったが「水泳をやりたい気持ちも強かった。部長さんがすごく応援してくれて『個人的に4年後(ロサンゼルス五輪で)戦っているところを見たい』と言ってもらった。それだけ言ってもらえたのもあり、最後の方の面談では『(水泳を)やりたいです』と話しました」と対話を重ねた。最終的には年度末までの1年ごとに判断する形となり、今は25年3月まで水泳に専念する形が定まった。在籍するのは社長室。東急グループ全体のブランドイメージを上げるのが役割で、深沢は「好きなことでお金をもらえていることが幸せですし、そこにいい焦りもある。1つ1つの試合でしっかりと結果を出し、会社にもアピールしないといけない。出る試合は全部勝つつもりでやりたい」と力を込めた。


今大会も上司が応援に駆けつけ、その前で最高の結果を出した。初出場の世界短水路選手権に向けては「優勝します!」と言い切り、長水路の世界選手権(25年7月開幕、シンガポール)代表を懸けた年度末の日本選手権(25年3月20〜23日、東京アクアティクスセンター)につなげたい。


「(7月の競技復帰から)短い期間でもタイムを戻すことができたので、今やっているトレーニングはしっかりできている。課題はターン。他の選手に詰められてしまうので、継続して取り組みたいと思います」


会社の心強い後押しも力に、世界の頂を目指す。【松本航】


◆深沢大和(ふかさわ・やまと)2000年(平12)10月16日生まれ、東京都生まれ。4歳で競技を始める。慶応高−慶大。23年春に東急へ入社。12年ロンドン五輪200メートル平泳ぎ銅メダルの立石諒らを担当した高城直基コーチに師事。184センチ、81キロ。

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