2014年の御嶽山(長野・岐阜県境)噴火で登山者らが死傷したのは気象庁が警戒レベル引き上げを怠ったためだとして、遺族ら32人が国と長野県に計3億7600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁であった。筒井健夫裁判長は請求を退けた一審判決を支持し、遺族らの控訴を棄却した。
一審長野地裁松本支部は22年7月、噴火の前兆現象とみられるデータを十分検討せずに警戒レベル1(当時は「平常」)に据え置いた同庁職員の注意義務違反を認定。一方で、レベルが引き上げられたとしても立ち入り規制が間に合ったとは言えないとして、登山者らの死傷との因果関係を認めなかった。