新生タイガースで問われる「実力」…青柳晃洋と村上頌樹の来季への危機感

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2024年10月21日 17:24  ベースボールキング

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阪神・青柳晃洋(左)と村上頌樹(右) (C)Kyodo News
◆ 新監督で迎える来季を再上昇への転機とする決意

 新指揮官ははっきりと口にした。

「プレーヤー個人に力がないベテランは、僕は必要ない」

 15日、大阪市内のホテルで行われたタイガースの藤川球児新監督の就任会見。期待する選手の名やチームのビジョンなど具体的なことはほとんど口にしなかった監督が強調したのは「実力」だった。

「ファンの方には選手の名前、顔、背番号が大切かもしれない。ただ、相手を倒す意味では絶対的な力が必要。(期待するのは)どんな選手と聞かれたら、能力ある選手を数字とともに見たい」

 人気、立場、過去の実績……そんな判断基準は一切なく「力」という唯一の“ふるい”にかけて常勝軍団を構築していく気概が見えた。


 刺激的な言葉に選手たちもすぐに反応した。今季2勝に終わるなど直近2年は不完全燃焼に終わっている青柳晃洋は危機感をにじませる。

「(監督の発言は)今年に関してはベテランがあんまり出てないからっていう風に僕は受け止めたので。期待はされますけど、その期待に応えられなかったら別に使わないよっていう。僕自身の話で言えば本当に結果が出なかった2年なので。それを払拭するような活躍が必要になってくるかなと思います」

 監督の言う「ベテラン」は特定の選手を指したものではないが、22年まで2年連続13勝を挙げて以降低迷している右腕は、新監督で迎える来季を再上昇への転機とする決意をにじませていた。


 そして、ベテランではなく「若手」のカテゴリーに入る選手も他人事ではないと受け止めている。昨季リーグMVPに輝きながらも今季は7勝にとどまった26歳の村上頌樹は「力がある人が使われるという言い方をされてたんで、戦力になれるようにやっていきたい。自分の力を発揮できるようにやっていきたい」と宣言。

 今季はキャリア初の開幕ローテ入りを果たして、2年連続の規定投球回到達とチームに欠かせぬ存在に変わりはなかったものの、ポストシーズンではブルペン待機となるなど、来季へ期する思いはある。

 今季限りで退任となった岡田彰布前監督が、クライマックスシリーズ・ファーストステージで敗退した直後に「(昨年から)悪なった」と厳しい言葉を投げかけたのも村上だった。

「1年だけじゃダメっていうような。岡田監督とこの2年間、規定投球回2年連続回らせてもらって光栄ですし。でも最後の最後まで力になれてなかったので、申し訳ないなと。このままじゃダメっていうのは、自分も思う。また来年いい姿を見せられるように、やっていきたいなと思います」

 監督が交代して迎える新シーズンを転機に青柳は意地を見せ、村上は逆襲をかけられるか。2人にとって真価の問われる1年になる。

文=遠藤礼(スポーツニッポン・タイガース担当)

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