【DeNA】番長スマイル全開！ CS制した三浦監督「チームがどんどんより一つになってきた」と“一丸野球”に手応え

◆ 笑顔の指揮官

　ファイナルステージで巨人を倒し、日本シリーズ進出を決めたDeNAが試合後に喜びの会見を行った。

　まず激闘を制したばかりの三浦監督は「チームがどんどんより1つになってきたなと。グラウンドで戦ってる選手だけでなく、ベンチにいる選手、 ブルペンにいる選手、スタッフとかが同じ熱量で、全員で戦えてるなと日々感じてました」と日頃から指針に掲げる“一丸野球”に近づけたことが勝因と公言。

　またこちらも日頃からチームの一員のような存在のファンにも「本当にありがたかったですね。このクライマックスだけじゃなくて、今シーズン中、一緒に苦しい時も戦ってくれたなと思いますし、東京ドームのファンの方もそうですし、スタジアムでパブリックで応援してくれてるファンの方もそうですし、 また全国の応援してくれるファンの方たちも本当に心強かったですし、俺たちと一緒に戦ってくれてるんだと、強い気持ちにさせていただきました」と感謝を忘れなかった。

　けが人が続出し、厳しい状況の中で掴んだ勝利に「怪我人でましたけど、カバーしてくれる選手たち、万全じゃなくてもね、そこを気持ちでグラウンドに立ってくれる選手もいっぱいいました」と回想。まだ続く戦いに「また横浜スタジアムでできるので、また明日からスイッチで頑張っていきます」としながらも「今日はこのクライマックス優勝を喜びます」と満面の笑みで語った。


◆ 仕事を果たしたキャプテン

　続いてキャプテンとしてチームを率いた牧秀悟は「ファーストステージからこのファイナルステージ、本当に油断できない試合が続いた中で、本当に僅差の試合をこうやって今日も勝ち切ることができたので、本当にすごく嬉しく思います」と第一声。

　決勝の一打には「もう本当にファイナル入ってからもピッチャーの方たちが最小失点で抑えてくれて、 攻撃に行きやすい流れをずっと作ってくれてたので。今日も最少失点で抑えてくれたからこそ、今日は自分でしたけど、ああいうところで打てて勝つことができたので。ピッチャーの方たちと、全員一丸となっていけたからかなと思います」と謙虚に振り返った。

　最後に自身初の日本シリーズに「今は本当に全然考えられないですけど、また明日、明後日の時間もあるので、日本シリーズに向けてまた気持ちを作っていきたいです」と決意した。


◆ 元キャプテンも喜び

　元キャプテンとして存在感を見せた佐野恵太は「去年は骨折していて、クライマックスシリーズに出てなかったので。本当にグラウンドに立てているってことも、まだシーズンが終わってもこうしてみんなで戦えるっていう喜びをすごく感じながら、グラウンドに立ってました」と噛みしめるようにコメント。

　また牧が決勝打を放ったシーンに「もうすげえなと思いながら、僕の打球はなかなか抜けないのにって思ってました」と自虐気味に笑わせながら「1年目で難しいところもあったとは思うんですけど、そういった姿は周りの選手に見せることなく、常にチームを引っ張ってやっている姿っていうのは、 本当に頼もしく、立派だなと思いながら見てました」とキャプテンのバトンを託した後輩に敬意を評した。

　最後に「初めての日本シリーズなので、頑張りたいなと。それだけです」と頂点をかけた戦いに力を込めた。


◆ MVP獲得の扇の要の決意

　ラストにMVPを獲得した戸柱恭孝は「終わった後に嬉しいのは当然なんですけど、1番はホッとしました」と重圧から開放されたことに安堵の表情。離脱した山本祐大には「今年1年は祐大で回ってきたので、1番彼が悔しいと思いますし、その思いもじゃないですけど」と決意したとしながら「1年間毎日試合出ることは少なかったんですけど、しっかり一緒に試合に入っていける準備をしてましたし、クライマックスにもしっかり入れたかなと思います」と誰もが認める影の努力がモノを言ったと胸を張った。

　また好リードでピッチャーを引っ張ったことには「それはピッチャーが頑張って要求通り投げてくれましたし、気迫と気持ちで投げてる選手もいましたので。本当にピッチャーに尽きるなと思います」と女房役らしい謙虚な言葉を残した。

　最後に日本シリーズに向け「7年前、経験を一応させてもらったんですけど、もう今もチームの色も違いますし、当時いた選手も多くはないので。また新しい横浜として経験した選手で引っ張っていくのもいいんですけど、新しい選手とみんなでまた一丸に戦っていきたいなと思います」と数少ないシリーズ経験者として決意を新たにした。

　会見後は選手、コーチ、スタッフで、約4000本のビールを掛け合い、プールに飛び込み、雄叫びを上げて喜びを分かち合った“オール・ベイスターズ”。牧キャプテンの「とにかく楽しい！」の言葉に、最上級の喜びを感じさせた。

取材・文＝萩原孝弘