8割が「インボイス導入で負担が増えた」 苦しむ事業者、何が圧迫している?

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2024年10月23日 06:31  ITmedia ビジネスオンライン

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インボイス導入による収益の変化は?

 日本・東京商工会議所が実施した調査によると、B2B事業者では73.3%が、B2C事業者では24.9%がインボイス登録を行っていることが分かった。


【画像】2割特例に対する意見


 インボイス制度導入による収益の変化について調査したところ、インボイス登録した事業者のうち、54.9%が減収したと回答。しかし、価格交渉を行った事業者の約6割は取引価格の値上げを実現できている。


 2割特例(インボイス登録した場合、納税額を売上税額の2割に軽減する措置。2026年9月末で終了予定)の適用状況も調査した。インボイス登録した事業者の85.5%が適用しており、消費税申告についても85.2%がスムーズに申告できたという。


 2割特例は一時的な措置とされているが、63.7%は延長・恒久化を求めていることが分かった。また2割特例の拡充(1割への拡充)を求める声も37.4%から上がった。


●8割が「インボイス導入で負担が増えた」 事業継続を危ぶむ声も


 インボイス導入に伴い、48.8%が「コスト増あり」と回答した。増加したコストとしては、32.4%が「既存システムの改修」、25.0%が「税理士への顧問料」、23.7%が「事務スタッフの残業代」を挙げた。


 事務負担についても82.2%が「増加した」と回答している。最も多かったのは「仕入れ先の登録状況の確認・管理」(66.0%)だった。以降「インボイス登録番号の確認(受領時)」(57.8%)、「記載要件の確認(発行時)」(54.3%)と続いた。


 税負担・事務負担について、事業者からは「事務負担が増えても売上増には全く寄与せず、貴重な時間を奪われている。この時間を本業に当てることができれば売り上げも増え、わが国全体の税収増につながるのではないか」「依然インボイスの要件を満たさない領収証や請求書を発行する事業者が多い。政府にもっと周知してほしい」といった意見が挙げられた。


 負担軽減措置に対しても、「免税事業者等からの仕入に係る経過措置」が終了すると税金が何十万円単位で増え、事業継続が困難となる」「税負担と事務負担が大きく、2割特例が終了すると事業継続が困難となる。措置の恒久化・拡充を強く望む」といった声があった。


 調査は各地商工会議所の会員企業に対し、各地商工会議所職員が回答を収集した。回答事業者数は3149者で、期間は5月20日〜6月14日。



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