アメリカ人観光客が感動した“日本のハンバーガーチェーン”「完璧なバーガーが出てきて驚いた」旅行の際は必ず訪問

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2024年10月23日 09:11  日刊SPA!

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ドラえもん好きの娘へ送るために写真を撮るジェイムスさん
インバウンド需要に沸いている日本。観光地はもちろん、大きな都市ではどこに行っても外国人の姿が目に入ってくるが、日本に住み、インフレ&物価高の影響を大きく受けている日本人からすると「日本の何がそんなに良いのか?」と疑問に思ってしまうだろう。
そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれない。

アメリカ・ペンシルベニア州出身で、現在はユタ州で航空機の安全対策エンジニアとして働くジェイムスさん(53歳)。元アメリカ空軍所属で、5年間沖縄に駐在したことのある退役軍人だ。駐在中は、北海道や青森、東京への短期出張経験もあるとか。沖縄での任務が終わりアメリカに帰国した後も、日本人の妻と子供たちと一緒に、観光で数回日本を訪れては、日本の魅力を再発見しているという。

◆「ヘルシー系レストランの一品としても通用する」日本の贅沢なバーガー

ジェイムスさんには、日本への旅行日程が決まると、必ず行くと決めてワクワクする場所がある。それは日本国内でも、質にこだわるヘルシー志向のファストフード店として知られる、モスバーガーだ!中でも彼のお気に入りは「ロースカツバーガー」。

「千切りされたキャベツはふわふわしていてボリューム満点。なのに食感はシャキシャキしているので、ジューシーなロースカツとのバランスが最高だ。その上ソースで素材の味が分からなくなるわけでもなく、濃厚なソースの味とロースカツの味の両方をしっかり楽しめる!

贅沢とも思えるキャベツの量と分厚いロースカツなのに、全体的な味はあっさりしていてサクッと何個でもいける」

そんな、モスバーガー愛を熱く語る彼は、ロースカツバーガーにぞっこん惚れてしまい、それ以外のバーガーは食べたことがないそうだ。

また、サイドメニューでたまに注文するサラダも好きだとか。新鮮であることは当たり前だというお店のモットーのようなものが、数種類の葉野菜とトマトや黄パプリカなどのカラフルなトッピングから伝わってくる。そして欠かせないのが、さっぱりした和風ドレッシングだという。

ジェイムスさんが「レストランの一品としても通用する」と絶賛するモスバーガーのメニューだが、彼にとって物足りない部分もある。それはセットで注文するフレンチフライとドリンクの量が少ないこと。

「一番大きなLサイズを注文しても、アメリカのSサイズより小さいカップで飲み物が出てくるなんて、食べながら喉が渇いてしょうがないんだ」

アメリカのファストフード店では飲み物を自由にお代わりでき、しかも店内に設置されているディスペンサーから自分で勝手に好きな飲み物を補充できるので、彼がそう思うのもしょうがないのかもしれない。

◆さらにジェイムスさんが絶賛するのはメニューの「再現性」

「お店で注文をするときにカウンターの上に置かれている、食欲をそそる新鮮で美味しそうなメニューの写真があるでしょ。注文したらその写真と全く同じ形の、完璧なハンバーガーが出てきて驚いたんだ!」

メニューの写真通りのハンバーガーが出てくることは当たり前だと思うが……。

「アメリカで実際に提供されるのは、中身がソースでグチャグチャになっていて、その上バンズはパサパサと乾燥していて、ぺしゃんこになってるバーガーが多いんだ」

◆靴を脱ぐ習慣はぜひアメリカにも取り入れたい

今では室内では靴を脱ぐのが当たり前になっているジェイムスさんだが、日本に来る前まではそうではなかった。アメリカ映画のワンシーンそのまま。靴のまま家に入り、靴のままベッドで横になってくつろぐような生活だったという。

最初はちょっと面倒だと感じた、靴を脱ぐ習慣がすっかり身についた彼は、アメリカの自宅では、靴を脱ぎたくない来客用に、玄関に使い捨ての靴カバーを置いているとか。

◆言葉の壁を丁寧にやさしく受け入れてくれる日本人

日本国内の短期出張が多かった空軍時代。北海道へ行ったときは、同僚とお酒を飲んだ後に立ち寄ったラーメン横丁で、まだ20代だったジェイムスさんを地元のおじさんたちが優しく受け入れ、意気投合したエピソードを語ってくれた。

同僚たちが先に宿舎へ帰ってしまった後も、ひとり店に残り、おじさんたちからズーズーと音を立てて食べる、ラーメンの正しい食べ方をおしゃべりしながら学んだそうだ。ここまで話を聞くと、日本語が達者だと思いきや……実はジェイムスさん、日本語はほとんど話せない。

5年間の日本生活で覚えた日本語は「どうもありがとうございます」「おはよう、おやすみ」「こんにちは、こんばんは」「行ってきます、行ってらっしゃい、おかえり」「いただきます、ごちそうさま」などだそう。

ちなみに「ありがとう」だけ、なぜ「どうも」という丁寧な言い回しなのかと尋ねたところ、アメリカ出身のロックバンド・スティクスの80年代の曲の中にある「ドモアリガト・ミスター・ロボット」という歌詞が頭に残っているからだと、実際に陽気に歌ってみせるひょうきんな彼だ。

「今でこそスマホに翻訳アプリを入れて会話をする人が増えているが、ジェスチャーと英語だけでも会話が成り立つのは、日本人が外国人に対してオープンで、目の前の相手を理解しようという優しい想いが強いからかもしれない」と続けるジェイムスさん。

「日本に来ている自分が、本当なら日本語を話す努力をしなければいけないのに、英語でゆっくり話したら通じるとでも思っていた若僧の自分に、多くの日本人は面倒くさそうな顔をせずに、一生懸命理解しようとしてくれた」

そんな素朴でフレンドリーな人たちの笑顔と、誠実さがにじみ出る日本人とその文化に魅力を感じるというジェイムスさん。最後に優しくも真剣な表情でこう語ってくれた。

「心の温かさと美しい文化をもつ日本は好きだ。同時に、過度の礼儀や形式に囚われ過ぎて窮屈そうだという印象もうける。もっと肩の力を抜いて、自分の気持ちや意見を自由に表現することで、一人ひとりの誠実さと思いやりの心がさらに生かされると思うよ!」

<取材・文/トロリオ牧(海外書き人クラブ)>

【トロリオ牧(海外書き人クラブ)】
2001年渡米、ユタ州ウチナー民間大使。アメリカでウェイトレスや保育士などの様々な職種を経験した後、アメリカ政府の仕事に就く。政府職員として17年間務めるがパンデミックをきっかけに「いつ死んでも後悔しない人生」を意識するようになり2023年辞職。RVキャンプやオフローディングを楽しむのが最高の癒しじかん。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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