「ウォーキングしてる人だけが生き残ってる」説は本当? 歩くと健康になる?タニタに聞いた

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2024年10月24日 06:50  まいどなニュース

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ウォーキングは、健康づくりにとても効果的(UTS/stock.adobe.com)※画像はイメージ

 9月に中年女性が筋トレを頑張っても仕方がないというXの投稿に、中高年や高齢者こそ筋トレが大事だという引用ポストが多数ついて注目を集めました。「すりごま」(@surigoma2012)さんも「『年取ると何でみんなウォーキングしだすの?』って問いに『ウォーキングしてる人が生き残ってるだけ』を思い出した」と過去にXで見た内容を投稿したところ、9.8万を超える「いいね」がつく反響になりました。

【写真】着用すると「もっと歩こう」という気持ちになるので効果大ですよ

「毎日少しでも歩かないと、体がガタガタになるんですよね..」
「必要な時に必要な事をしている人はストレスも少なくいられるのかも☺️」
「寝たきりの人は可視化できないですもんね」
「ホント生存バイアスですよね。定期的に一定時間歩くというのは、身体と心に良い影響を与えるようです。長く歩くことによって脳内からドーパミンが放出され、そしてそれが習慣化されることが重要みたい」
「うちの母(もうじき80の要介護認定者)見てると「起き上がる」「立つ」「歩く」、この3つができる事の大切さが理解できる… 100まで生きた母方の祖母は死ぬ間際までコレできたから風呂やトイレも困らなかったらしいし。」
「生き残るために歩こうと思います。」

ウォーキングについて研究を続けるタニタに聞いた

 実際にウォーキングは生き残りに影響があるのか、1981年に歩数計の販売を開始し、ウォーキングについて研究を続けているタニタの研究・開発担当者さんにお話を聞きました。

──ウォーキングと健康には関係があるのでしょうか。

 ウォーキングは誰でもすぐに始められる手軽な運動の代表ですが、実は健康づくりにとても効果的です。習慣的なウォーキングは、肥満や生活習慣病の改善のほか、下肢(太ももやふくらはぎ)の筋力維持が期待できます。また、自律神経が整えられ睡眠の質が向上するといった報告もあり、こころもからだも健やかにしてくれることが期待できます。

──ウォーキングは、年をとってもできて、お金もかからない運動という印象です。歩くことが長生きにつながるなら嬉しいですが、実際にそのようなデータはあるのですか?

 データはあります。近年では座りっぱなしが健康に悪影響を与えることが明らかになってきています。歩かずに座りっぱなしで過ごす時間が長いと、心臓病やサルコペニア(骨格筋量や身体機能の低下)になる確率が上昇する傾向にあるのです。肥満リスクも増加し、脂肪が増えれば2型糖尿病のリスクも増加します。そして、なんと死亡リスクまでもが上昇することも明らかになっています。歩くことは、健康なからだを維持したいすべての方に必要な習慣といえます。

──以前、筋肉の有無で受けられる治療も変わってくるということを医師にお聞きました(そのときの記事はこちら)。年をとっても歩けるということは、やはり重要ですか?

 高齢者では、「よく歩くと認知症になりにくい」ことが最近の研究でわかってきました。70〜80歳の女性の認知機能テストの成績と運動習慣の関係を調べた研究によると、日頃よく歩く人はテストの成績が良く、少なくとも1週間に90分(約15分/日)歩く人は、週に40分未満の人より認知機能が良いことがわかっています。このように、日常的なからだへの刺激で、認知症を予防できる可能性があります。

──体力維持や健康という以外に、認知症予防にもなるとは驚きです。ウォーキングをしてみようという人に向けて、注意すべきことはありますか?

 活動量を増やし効果的なウォーキングをするためには、やや遠くを見るようにし、膝を伸ばしてかかとから着地し、つま先で地面をけりだすようにしましょう。余裕のある方は歩幅を広げ、腕を大きく振ることを意識しましょう。脚や腰への負担が心配な人は、2本のポールでからだを支えながら歩く「ノルディック・ウォーキング」がおすすめです。

──どのくらい歩くと良いのでしょうか。

 2024年1月に公表された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者で1日6000歩以上、成人で8000歩以上が推奨されています。10分間の歩行は約1000歩に相当するといわれているので、1日あたり60〜90分程度歩行することが目安になります。加えて、重要なのはウォーキングの時間以外も活動的でいることです。仕事中や家で過ごしているときに座位時間を減らし、からだを動かすことを心がけてください。

──歩くだけで時間をとられるより、家事や買い物などで歩数を稼ぎたいです。普段の生活がどのくらいの歩数になっているかを知ることも大切ですね、目標も設定しやすいですし。

 実は歩数計は着用するだけで身体活動の動機づけにつながり、目標設定をしたり、実際の歩数をはかって確認したりすることが、身体活動量の向上に効果があることが明らかとなっています。日々の活動を把握することで、どの場面でよく歩いているか、自身の調子が良い時はどのくらい歩いている時か、などの気付きがあるかもしれません。活動量が足りていないかも、と思った時には目標歩数を定めることも有効です。

 ◇ ◇

 タニタの歩数計にはどんな機能がついているのか聞いてみたところ、3Dセンサーが搭載され、バッグやポケットに入れた状態でも正確に歩数をはかることができるそう。アプリで歩数を記録できるほか、タイプによっては緊急時用のホイッスルがついているもの、歩数以外に消費エネルギー量をはかれる活動量計という商品もあります。デザインも懐中時計型や葛飾北斎モデルなどがあり、選ぶ楽しさもあります。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)

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