しかし結婚当初から気になることがありました。というのもユイトは過去のことをあまり話したがらないのです。子どもの頃のことは特に……。だから私はなんとなく、育ってきた環境をあまり思い出したくないのだろうなと感じていました。
引越しの日、ユイトはなにかを考え込んでいる様子でした。新しく食器を買おうと言っても「俺はいいや」と一言。ユイトの実家にも「住所は知らせなくていい」と言うのです。ただ私はその理由をあえて深くは聞かないようにしました。
穏やかで優しいユイトと結婚できて、私はとても幸せです。ユイトは私の明るい性格が好きだと言ってくれました。でも楽観的すぎると相手の苦しみに気づかないこともあるのではと、少し不安もあるのです。「言ってくれなきゃわからない」というのは、夫婦であっても同じだろうと思います。
私との結婚生活をスタートさせた引越し当日、ユイトは黙々と荷物を片付けていました。何を聞いても上の空で、どうしたんだろう? と不思議に思った記憶があります。私は大好きなユイトとの暮らしを考えて、幸せな気持ちでいっぱいなのに……。ただ同僚のサキにも励まされ、一時的なマリッジブルーだろうと考えることにしました。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・もえこ 作画・金のヒヨコ 編集・井伊テレ子