【天皇賞(秋)】リバティアイランドは万全の態勢 最適舞台で強さを見せる/長岡一也

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2024年10月26日 12:00  netkeiba

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長岡一也さん(フリーアナウンサー)
◆ドウデュースの巻き返しはあるか

 歴史に残る世界一の激走と讃えられたイクイノックスの連覇から一年、あの世界レコードは衝撃的だった。何か一気に日本の競馬が一段階上がったように感じさせられた。1分55秒2、このタイムを目の前に、どう今年は競馬が動くのか、そこまで思いをめぐらせてみたくなる。

 昨年の三冠牝馬でGI4勝のリバティアイランドは、2020年のアーモンドアイ以来の牝馬の勝利に挑むが、昨年はジャパンCでイクイノックスの4馬身差の2着と、強豪牡馬たちを相手に健闘していた。元々その末脚は際立っていたが、デビュー戦の新潟1600米でラスト3ハロン31秒4をマーク、史上最速タイ記録を出していた。ところがオークスでは好位からのレース運びを見せ、明らかに進化していたのだから、この強さは本物とみたい。

 今年の初戦ドバイシーマクラシックは、スローペースで末脚を伸ばしたものの届かず3着に終わったが、1、2着馬が先行馬だったことから、それほど悲観するものでもないだろう。その後右前種子骨じん帯の炎症で休養していたが、万全の態勢で秋のGI戦をめざしてきた成果を見せてくれるだろう。天皇賞(秋)2000米は、不良馬場でない限り、上がり3ハロンは32秒台から34秒前後をマークしなければ勝てない。リバティアイランドにとり、一番能力を発揮できる条件だと思う。

 この10年を振り返ると、春のGI戦からの直行組が6勝もしていて、目立っている。今年は安田記念、日本ダービーからの直行はなく、宝塚記念から4頭が出走してきた。まずはそこから注目馬を探ってみたい。

 今年は京都で行われたが、前日からの雨に加え、レース直前にも雨が降って重馬場、それに前半1000米が61秒0のスローペースで、後半が58秒1という相当に速いペースだった。これで2着に入ったソールオリエンスは、3コーナー12番手から最速の上がりをマークできたのだから、評価できるのだが、少し上がりのかかる決着が得意だから、東京の2000米の良馬場だと少し不安がある。

 これよりも、ダービー馬で昨年の有馬記念を勝っているドウデュースの巻き返しに期待したい。宝塚記念は6着だったが、末脚はしっかり使っていて上がりは全体の3番目をマークしていた。今年の2戦は、直線で進路が無くなりスムーズさを欠いたドバイターフが5着、そして重で動きづらかった宝塚記念が6着とひと息だが、この馬は浮き沈みを繰り返しながらGIを勝ってきたこれまでを見ると、今回は、巻き返しのときと見ておきたい。馬場のいい東京2000米は、大きな力になる。

 そして、やはり前走は雨中の重で力を出せなかったジャスティンパレスを伏兵としておく。昨年の天皇賞(秋)2着では、ラスト3ハロン33秒7をマークしており、切れ味勝負ならこれも有力馬の資格がある。

「見せてくれ 王者の走り 復活を」

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