<全国高校ラグビー新潟大会:開志国際38−7北越>◇26日◇決勝◇長岡ニュータウン運動公園
開志国際が王座を奪還した。北越に38−7で勝ち、2大会ぶり3度目の優勝と同4度目の全国大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)出場を決めた。12−7と1トライ差に迫られた後半17分、フィジーからの留学生NO8マイカ・タヴェタ(2年)がトライを決めたのを皮切りに、後半に計4トライ(3ゴール)を挙げて突き放した。昨年の決勝で北越に14−17で敗れた雪辱を果たし、聖地花園への切符を奪い返した。
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タックルをものともせず、タヴェタが前進した。後半17分、相手に絡まれながらも勢いよくインゴールに飛び込む。起き上がると、大歓声の開志国際応援席が目に入った。「めっちゃうれしかった」と手を振った。
後半15分、北越にトライとゴールを決められて12−7まで追い上げられた。その直後のリスタート。CTB遠藤夏輝(3年)のキックをフランカー塚越陽(3年)がキャッチ。右に回ってパスを受けたタヴェタは、ゴールに向かって走るだけだった。
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鮮やかなノーホイッスルトライに「狙っていた。やり返そうと思った」とタヴェタは笑う。チーム最長身の192センチで、体重もこの1年間の筋トレで12キロアップして98キロになった。ベンチプレス125キロの腕力も体幹の強さも、重要な1戦で強力な武器になった。
WTB村山楓主将(3年)が「練習でも決まったことがなかった」という鮮やかな1本が、チームを乗せる。3トライを追加。モールでのプッシュ、インターセプト、オープン攻撃。高橋昌徳監督(45)は「この1年、やってきたことができた」と選手をたたえた。
昨年の決勝は3点差で北越に敗れて3連覇を逃していた。この日の先発のうち9人が、当時も先発。「昨年、負けている。自分たちはチャレンジャー」(村山主将)。コンタクトの強さやボールへの集散の速さなど、基本から追求して土台を造り直してきた。1週間置きに選手ミーティングもして、結束を強固にした。
開志国際は、県2位だった20年の100回記念大会に、北信越代表決定戦を制して花園に初出場した。以来、目指している到達点がある。「花園でベスト8に入る」と村山主将。王座奪還は、悲願達成への1歩に過ぎない。【斎藤慎一郎】
○…開志国際のSH室伏勘太(3年)が2トライを挙げた。前半16分に右隅へ先制トライ、後半23分には押し込んだモールから2本目。「みんながつくった形から自分が奪っただけ」と控えめに話したが「2本取れたのはうれしい」と喜んだ。伝統のオープン攻撃だけでなく、味方の縦の突破も引き出すなど、つなぎ役としてもきっちり仕事をした。
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○…北越の2連覇はならなかった。前半開始から10分以上、敵陣でプレー。フェーズを重ねながら着実に前進したが、あと1歩のところで開志国際の守備に食い止められ、反則を犯した。後半15分に密集から途中出場のFW小田翼(3年)がトライを奪って追い上げを見せるも、その後は相手の猛攻を止められなかった。敗れたものの、昨年からメンバーほぼ全員が入れ替わった中、決勝では主導権を握る時間帯をつくった。成長ぶりは意地で見せつけた。
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