【バスケ】B1仙台、満員の会場でホーム初勝利 青木主将「この状況で勝つことだけ考えていた」

0

2024年10月27日 21:06  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

仙台対越谷 試合後、安堵(あんど)の表情を浮かべ、コートを1周するB1仙台・青木(左)(撮影・浜本神威)

<B1:仙台87−78越谷>◇26日◇第5節◇カメイアリーナ仙台



待ちに待った歓喜の瞬間だった。B1仙台89ERSが越谷アルファーズに87−78で勝利。開幕6連敗と出遅れ、前節にアウェーで今季初勝利を挙げたもののホームでは4連敗を喫していた。なんとしても欲しかったホームでの初白星。選手らの表情には笑顔が見えた。


ホーム戦勝利は、昨季から数えて実に182日ぶり。試合後、青木保憲主将(29)は、どこかホッとするような表情を浮かべてコートを1周した。「これだけ満員で埋めてくださっている、この状況で勝つことだけを考えていた。うれしそうな顔をされている方がたくさんいた事が何より。僕もうれしかった」。この日は最終集計で4435人の満員御礼。ナイナーズイエローに照らされたアリーナで勝利をかみしめた。


10月20日の宇都宮戦で延長の末に敗れたあと、青木はコート中央でマイクを握った。「僕たちは、下を向かずに前を向いて、皆さんに勝利をお届けできるよう精いっぱい努力し続けますので、ぜひ皆さんも一緒に戦って、次こそ勝利を皆さんで分かち合いましょう。これからも『黄援』よろしくお願いします。そしてありがとうございました」。決して明るい表情ではなかったが、ブースターの方を向いて、前を向いて戦い続ける意志をしっかりと伝えた。


23年1月16日、青木が加入したのはチームが7連敗と苦しい時期だった。その直前、年始に広島の一員として仙台と対戦。青木の出場はなかったが「(仙台は)絶対崩れないなと思った。そういうカルチャー(GRIND)がある。絶対降格しないなという印象を受けたし、入ってからも降格しないなという自信があった」と振り返る。


連敗は「9」まで伸びた。それでも、チームは勝利に向かって突き進んだ。1月22日のアウェー富山戦で、81−77で勝利。青木は3点シュート3本を含む13得点に加え、4アシスト5リバウンド6スチールと獅子奮迅の活躍を見せた。そこからチームは3連勝。巻き返し、B1残留もつかみ取った。


開幕から1カ月、あと1歩で勝ち切れない試合もあった。どうやったら勝てるのか、自分たちにフォーカスし続けてきた。


「必ず自分たちにベクトルを向けようと話をしていました。自分が何をできるのか、チームとして何ができるのか。目をつぶりたくなるようなことにもしっかり向き合って、それを克服していこうと、毎試合話していました」。そして今日、粘って粘って、最後は守り切って勝った。「GRIND」し続けた結果だった。


大型連敗のあと、チームは連勝街道に乗る。来週末にはFE名古屋とのホーム戦、その後はアウェー3連戦を戦って、バイウイーク(試合のない週)に入る。「しっかりと勝ち星を戻せるように。あとは自分たちがどうやったら勝てるのかというところを見つけて、その一員に、僕もなれたらと思います」。この勝利はきっかけに過ぎない。アリーナに響いた歓喜を力に、仙台89ERSの快進撃が始まる。【浜本神威】

    ニュース設定