夫が65歳になったときに振替加算を受け取れるらしいですが、妻が厚生年金に加入しても振替加算はもらえますか?

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2024年10月28日 08:11  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、妻が厚生年金に加入していても振替加算はもらえるのかについて、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、妻が厚生年金に加入していても振替加算はもらえるのかについてです。

Q:夫が65歳になったときに振替加算を受け取れるらしいですが、妻が厚生年金に加入しても振替加算はもらえますか?

「今年、夫61歳(現職会社役員/厚生年金加入者/額面給与年780万円)、妻65歳(昭和34年6月生まれ/夫の会社の従業員/現在の額面給与年129万円)。私は、今年から年金を受給します。年金を増やしたいので、夫の社会保険の扶養を外れ、今年から70歳まで勤務時間延長、給与増で、自分で厚生年金保険料を払うつもりです。私の年金は、基礎年金79万9000円、老齢厚生年金は年額約20万円です。夫が65歳になったときに振替加算(約2万8000円)を受け取れるらしいですが、私が厚生年金に加入しても、振替加算はもらえますか?(私は、以前厚生年金に144カ月加入していました)」(京のこけしさん)

A:妻が厚生年金に加入して働き続けても、夫が65歳になったときに振替加算をもらえます

そもそも「振替加算」とは、老齢基礎年金の制度であり、以下の4つの支給要件があり、すべて満たす人が対象となります。

●振替加算をもらえる人の条件
【1】大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた
【2】老齢基礎年金を受給できるようになった時に、配偶者が加給年金を受給していた
【3】厚生年金保険および共済組合等の加入期間が240カ月未満である
【4】振替加算される時に、加給年金をもらっている配偶者と同居しており、生計を維持されている(自分の年収は850万円未満)

例えば、夫が年上で、加給年金を受け取っている場合、妻が65歳になると、夫の加給年金は支給停止となり、妻の老齢基礎年金の額に自動的に加算(振替加算)されます。

ところが、相談者のように、妻(厚生年金の加入期間が20年未満)が年上の場合、加給年金はもらえません。年下の夫が65歳になったとき(厚生年金の加入期間が20年以上になったとき)に、妻の老齢基礎年金に振替加算がつくことになります。

相談者のように、妻が、厚生年金に加入して働き続けても、夫が65歳になったときに妻は振替加算をもらえます。

基本的には、妻が振替加算を受けるために、請求手続きは必要ありませんが、相談者のように、妻が65歳になった後に、夫が65歳になり、厚生年金の加入期間が20年を満たす老齢年金を受け取れるようになった場合等には、振替加算を受け取るために、「国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届」に下記の書類を添えて、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターに提出が必要になります。

1:受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本(記載事項証明書)
2:世帯全員の住民票の写し(続柄・筆頭者が記載されているもの)
3:受給権者の所得証明書、非課税証明書のうち、いずれかひとつ(加算開始日からみて直近のもの)

※添付書類は原本が必要です
※1、2の添付書類は、加算開始日より後に発行されたもので、かつ提出日の6カ月以内のもの
※2、3の添付書類は、該当届に個人番号(マイナンバー)を記入した場合は、添付を省略できます

詳細は年金事務所等に確認してみましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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