「ボケ始め」なら脳は戻せる!専門医が教える認知症グレーゾーンから「脳を戻す習慣」

0

2024年10月28日 11:01  web女性自身

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

web女性自身

写真

「9月24日、日本では2例目となる認知症薬『ドナネマブ』が承認されました。認知症の7割を占めるアルツハイマー病治療薬で、軽度認知症や、MCI(軽度認知障害)への投与で、症状の進行を29%遅らせるというデータもあります」(医療ジャーナリスト)



新薬への期待は高まるばかりだが、そもそも大事なのは、早期段階のMCIに気づくことだと言うのは、『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム)などの著書がある、メモリークリニックお茶の水院長の朝田隆さんだ。



「認知症になる人は、必ずMCIという“認知症グレーゾーン”を通過します。しかし、適切に対応すれば認知症への進行を遅らせることが可能。4人に1人は健常な脳にUターンできるのです」(朝田さん、以下同)



医学誌『ランセット』の報告によれば、異変を感じてから専門医療機関を受診するまでの期間は平均4年だという。多くの人が自分の症状に見て見ぬふりをし、その間に約半数が認知症に進行してしまっているのが現状だ。



だからこそ利用したいのが、朝田さんが作成したチェックリスト。最近増えたと思う項目が3つ以上あれば、MCIの可能性がある。



「もの忘れを“年のせい”と流してしまう人も多いです。ですが、単なる老化とMCIは違います。自分では気づきにくい部分もあるので、家族の目も重要です。MCIになると、実は記憶力よりも先に意欲が低下する傾向があります。『まあいいか』『めんどくさい』というセリフは要注意です」



ではMCIと診断された場合、健康な脳へUターンするために、生活面ではどのようなことを意識しておけばいいのだろうか。



「幸福感のドーパミン、癒しのセロトニン、愛情のオキシトシンといった、脳内ホルモンの分泌を活発化させること。わくわくに満ちた生活を送るよう、5つのポイントを意識してください」



まずは「挑戦」。今までやってこなかった習慣にトライすることが重要だ。



「心がけたいのは“年がいもない”と思わないこと。年のせい、とさまざまなことを我慢すると、脳への刺激が減ってしまいます」



女性の場合、もっとも手軽に挑戦しやすいのはファッションやヘアメークだ。



「周囲の目を気にするより、自分が着たいスタイルに挑戦してわくわくしてください。“若いコが多い”と入りにくかったスイーツのお店に挑戦してもいいでしょう」



次に意識したいのが「変化」、“いつもの”から脱することだ。



「夕飯の支度をする際、いつもとは違う隣町のスーパーで買い物してみてもいいでしょう。新鮮な気持ちで店内を回り、目新しい調味料を手に取ってみるのも変化。料理は、切ったり、焼いたり、2つ以上の作業を同時進行するデュアルタスクなので、脳の活性化に有効です」



感動を伴う新鮮な体験も心がけたいところ。



「外出先で、道行く人に聞いたレストランに入ってみることも、日常の変化を体験できます。ただ、行列店はおすすめしません。おいしいことが予想されるので、感動が少なくなるためです」





■孤独回避のために ゲーセンやファミレスへ



毎日の楽しみを作る「生きがい」も欠かせない。



「自分自身が夢中になる趣味を見つけたり、孫の成長を楽しんだりするのも、立派な生きがいです」



ガーデニングやヨガなどシニア向けの趣味はたくさんある。大声を出すカラオケも、脳にはよいことばかり。



「エンドルフィンなどの脳内ホルモンの分泌が促され、脳のストレスが緩和されます」 孤独になると、触れ合いや交流で活性化する脳の海馬や扁桃体など多くの部位を萎縮させるという。



「ファミリーレストランで、月1回、2〜3時間のランチ会をするだけでも違います。人と会う約束は、『孤独の回避』になります」



社交ダンスやフォークダンスも効果的。



「スキンシップで、愛情ホルモンのオキシトシンの分泌が促されます。オキシトシンは、アルツハイマー病の原因といわれるアミロイドβという物質による、記憶中枢の障害を回復させる働きがあると、東京理科大の研究が明らかにしているのです」



また、近年はゲームセンターのコインゲームコーナーなどに、高齢者も多くやってくるのだそう。



「東日本大震災のとき、被災地に医療の応援に訪れた際、ゲームセンターにいる高齢者を見かけました。子供や若い人にゲームのやり方を聞いて、高齢者仲間で楽しんでいましたが、それだけでも脳に刺激を与えてくれるでしょう」



5つ目は「利他」。人のためになることは脳によい効果をもたらす。



「ボランティアに代表される利他的活動は、相手の喜びを通じ、自分自身の幸福感が高まります」



ボランティアでなくても、友人が喜ぶ褒め方を心がけるだけでも、脳に有効だという。



「相手が喜ぶポイントを見抜くには、極めてレベルの高い脳トレである、人間観察が必要だからです」



「自覚があるうちは大丈夫」と過信していると、あっという間に認知症に進行してしまう。脳をUターンさせるチャンスを逃さず、5つのポイントに留意してわくわくした人生を送りたいものだ。

動画・画像が表示されない場合はこちら

動画・画像が表示されない場合はこちら



    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定