今回の衆院選で議席が4倍増となった国民民主党。玉木雄一郎代表(55)は11月中旬に特別国会で行われる首班指名で、キャスティングボードを握る“時の人”となった。
「玉木代表は93年、東大法学部を卒業後、大蔵省入省。その後、ハーバード大学ケネディスクールに留学して政治学を学び、97年に外務省へ出向。金融庁や大阪国税庁、内閣府へも出向しました。05年の衆院選で民主党から出馬するも落選。09年に再び立候補し初当選しました。以降、民主党政調副会長、民進党幹事長代理、希望の党代表などを歴任。18年に国民民主党の代表に就任しました」(政治部記者)
実は玉木代表は、初当選した09年、本誌のインタビューで、外務省出向時代の意外な逸話を明かしていた。99年2月、ヨルダンのフセイン国王の葬儀に皇太子時代の天皇陛下、雅子さまが参列された際、随行員として政府専用機に同乗していたのだ。
《ヨルダンのフセイン国王が亡くなったという情報が入り、すぐに皇太子さま、雅子さまとともに日本を発ちました。
イスラムの世界では、死去後24時間以内に遺体を埋葬しなければならないので、それまでに葬儀が行われるのです。現地の状況や葬儀の流れなど、皇太子ご夫妻にご説明できるような情報が、ほとんどない状態での離陸でした。
我々は機内で必死に情報を収集したのですが、両殿下にご説明をできるようになったのは、ヨルダン到着の直前でした。
結局、10時間以上に及ぶ機内で両殿下を不安にさせてしまう状況でしたが、雅子さまは外交に慣れていらっしゃることもあって、『何か情報が入りましたら教えてください』とおっしゃって、とても落ち着いておられたのが印象的でしたね》
玉木代表は、雅子さまの機内でのご様子をこう語っていた。
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《ご説明の際も雅子さまは、参列する際の帽子はベールが付いているものがいいのか、スカートをはくのであれば、丈はどのくらいの長さのものがいいのかなど、イスラム教国での葬儀のマナーや振る舞い方について非常に気にされていました。急な出発にもかかわらず、ヨルダンの国情などに精通されていたのにも驚きました》
ヨルダンの空港に着陸の際は、ハプニングもあったという。
《各国から、弔問のために飛行機が殺到していました。積載燃料にゆとりのない近距離からの飛行機を優先的に着陸させたので、私たちは上空でしばらく待機させられたんです。
随行の東宮職の方はやきもきして、『日本のプリンセスが乗っているんだ。早く降ろせ』と地上管制官に伝えさせたりしていました。雅子さまは、状況を把握されていたのでしょう。落ち着いて、やんわりと側近の方を諫められていました》
両陛下は約7時間という短いご滞在で帰国されるというハードスケジュールだった。玉木代表は当時を振り返って、両陛下に改めて感謝を述べていた。
《大変な強行スケジュールでしたが、帰国して飛行機から降りる際には、両殿下ともお疲れを見せずに、私たち随行員の労をまずねぎらわれて、一人ひとりに深々とお辞儀をされていました》
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これが縁で、玉木代表は雅子さまの誕生日のお茶会に招待を受けて出席したという。
《その際にも『あの状況で、ありがとうございました』と幾度となく感謝のお言葉をいただきました。ヨルダンに随行させていただいて、雅子さまの皇室外交に対する強い思いを、肌で感じました》
随行員時代が影響しているのか、3年前の別のインタビューで、玉木代表はこう力説していた。
《私は天皇陛下を尊敬しています。憲法第一条に「日本国民統合の象徴」と書いてある以上、それを守るのが国会議員の務めです》(『アサヒ芸能』21年8月26日号)
両陛下と玉木代表の“次の再会”はいつになるのか——。
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