伝説のギャグアニメ『おぼっちゃまくん』の新作シリーズが、約30年の時を経て人気再燃のインドで制作され、来春にインド全土で放送されることがわかった。原作者・小林よしのりの快諾も得て、テレビ朝日とソニー・ピクチャーズ・ネットワークス・インディア(SPNI)の日印共同で制作される。
『おぼっちゃまくん』は、1986年から「月刊コロコロコミック」で連載された小林よしのりによるマンガを原作に、1989年から1992年にかけてテレビ朝日系列で放送されたギャグアニメシリーズだ。良家の子女が通うエリート校に転校してきた世界的大富豪「御坊財閥」の跡取り息子・御坊茶魔の“華麗にて波乱なる日々”を、ぶっ飛びまくったスケール&ギャグの応酬で描写した。「おはヨーグルト」や「そんなバナナ」など、茶魔が操る独特すぎる「茶魔語」も相まって大ブームを巻き起こしたことで知られる。
それから約30年を経た現在、本作は時代も国境も超えてインドのキッズチャンネルで人気を博しており、新しいシーズンを熱望する声が上がった。このたびの新作シリーズはそんなインドからの熱きリクエスト、および小林の快諾を得て始動したもの。テレビ朝日とSPNIがタッグを組み、22分×26話(11分×52話)が日印共同で制作されることになった。
新作シリーズはインド全土で来年、SPNI傘下のキッズ専門チャンネル「SONY YAY!」での放送が予定されている。シナリオはかつて日本版『おぼっちゃまくん』を手掛けたテレビ朝日のグループ会社「シンエイ動画」が作り、アニメ制作はインドで行うという形式がとられる。両国のクリエイティブな強みを結集したエピソードが鋭意制作されているそうだ。
またそんな中、フランス・カンヌで開催された世界最大級のテレビ・映像コンテンツの国際流通マーケット「MIPCOM 2024」では、10月21日に『おぼっちゃまくん』のワールドプレミア上映が実施された。新シリーズから選りすぐったエピソードが上映された後、SPNIとテレビ朝日、インドのアニメスタジオ「グリーン・ゴールド・アニメーション(Green Gold Animation)」によるトークセッションも行われた。
世界各地から集まったメディア関係者は、他に類を見ない茶魔ワールドを楽しむとともに、インドの子どもたちの声からスタートした今回の新作制作への関心が多いに寄せられ、ワールドプレミアは大盛況のうちに幕を閉じた。新作シリーズによる『おぼっちゃまくん』のさらなる盛り上がりが注目される。
『おぼっちゃまくん』制作概要
【タイトル】「おぼっちゃまくん」/「Obocchama-kun」
【話数】22分×26話(1話が11分のエピソード段積み)
【原作】小林よしのり
【制作著作】 テレビ朝日
(C)1986 Yoshinori Kobayashi/TV Asahi