日産自動車が「日産ノート e-POWER 乗りステーション」を期間限定で開催する。都内2カ所に小型車「ノート e-POWER」の「乗りステーション」を設置し、3.3km圏内であれば自由に乗れるという新サービスだ。どんな狙いがあるのか、サービスの発表会を取材してきた。
返却不要で気軽にチョイ乗り
日産「ノート」は2005年に初代が登場して以来、高い支持を集める先進のコンパクトカーだ。2016年には電動パワートレイン「e-POWER」搭載モデルが登場。現行型は2020年12月に発売となり、2023年12月にマイナーチェンジを実施している。
ノート e-POWERの魅力は、電動パワートレインが繰り出す力強い加速と快適な乗り心地、優れた静粛性だ。日産は「走りの魅力は乗ればすぐに伝わる」と考えており、より多くの人がノート e-POWERの走りを体験できる機会創出を目指していた。
今回の「日産ノート e-POWER 乗りステーション」で着目したのは「都心に残された移動しづらい場所」だ。公共交通機関が発達している都心はクルマなしでも基本的には不便なく移動することができるものの、わずかではあるが公共交通機関では移動しづらい場所も残っているという。
そんな場所であっても、クルマであれば難なく移動できる。さらには、移動のついでにノート e-POWERの乗り心地を体感してもらおうということで、今回のサービス開始に至ったわけだ。
11月1日(金)〜6日(水)までの期間限定開催となる「日産ノート e-POWER 乗りステーション」。設置場所は渋谷(OPENBASE SHIBUYA:渋谷区宇田川町15-1)と代々木上原(OPRCT:渋谷区上原1-29-10)の2カ所だ。利用にあたっての予約は不要。ステーションを中心に、半径3.3km以内であれば好きな場所を目的地に設定できる。
3.3kmの移動距離は少し短いような気もするが、日産によれば40km/hで5分走行した場合の距離に相当するため、ノート e-POWERの電気の走りを存分に体感できる設計になっているという。
利用方法は簡単。ステーションに行って体験者と同乗人数、行き先をスタッフに伝えるだけだ。その後はノート e-POWERを運転して目的地に向かい、目的地に着いたらアンケートに回答すれば利用が完了する。移動の際にはスタッフが同乗するので、返却のことは気にせずそのまま乗り捨てでOKだ。
利用料金は無料。気軽に利用できることから、多くの人がノート e-POWERをちょっとした移動手段として活用し、その魅力に触れる機会となるだろう。日産自動車 チーフ マーケティング マネージャーの村田直哉さんは、「ステーションまで戻ってこなくていいので、非常にハードルが低く、気軽に楽しく体感いただけるサービスになっていると考えています」と話していた。
有村架純が乗りステーションで行きたい場所は?
日産ノート e-POWER 乗りステーション発表会には、日産ノート チーフe-POWERオブザーバー(CeO)に就任した女優の有村架純さんが登場。ノート e-POWERの魅力について、「加速するときにスーっと発進してくれて、坂道もアクセルを軽く踏んでいるだけなのにすごく力強い」と語った。
次は、「代々木上原ステーションから3.3km圏内だとどこまで行けるか」というクイズに挑戦した有村さん。選択肢は下北沢、原宿、代官山の3つだ。
正解は1つではないというヒントを受け、自信ありげな様子で「原宿、下北沢」との回答を発表した有村さん。しかし正解は「全て行ける」であったため、残念ながら不正解となってしまった。
日産ノート e-POWER 乗りステーションを「もし利用するならどこに行きたいか」との問いには、渋谷ステーションから「祐天寺まで移動して、学芸大学の方に行きたい」との回答。理由については「10代のときに事務所の同期の人たちとレッスンに通っていた時期がある」とし、思い出の地であることを明かした。
なお、日産の村田さんによれば、2024年12月には大阪で第2弾の実施を予定しているという。開催期間はあらためて発表するそうだが、「関西圏の方も楽しみにお待ちいただければ」とのことだ。
安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)