弁護士資格のない人物に詐欺被害回復をうたう法律事務をさせたとして逮捕、起訴された元衆院議員で弁護士の今野智博被告(49)らに対し、被害回復を依頼した1都6県の男女15人が31日、計約1800万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
訴状などによると、15人は国際ロマンス詐欺などの被害回復のため、今野被告と委任契約を締結。着手金として昨年10月〜今年3月、計1600万円余りを支払った。
しかし、実際には弁護士資格のない人物が今野被告の名義を利用。着手金名目で約5億円を集めていたとされ、10人が逮捕された。被害回復できた事例はほぼ無かったとみられる。
提訴後に記者会見した神野直弘弁護団長は、「『高確率で全額に近い金額を取り戻せる』などと虚偽の事実を述べて勧誘し、通常よりも高額な着手金を支払わせていた」と批判した。