今回は、国民年金保険料と厚生年金保険料を合計30年支払ったら、将来の年金受給額はどのくらいになるのかについてです。
Q:50歳の一人暮らし女性です。私がもらえる国民年金額はいくらになりますか?
「私は、50歳の一人暮らし女性です。会社員として厚生年金保険料を25年間支払った後、派遣社員として55歳から国民年金保険料を60歳まで支払う予定。これからも働き続ける予定です。年金は、65歳からもらいますが、私がもらえる国民年金額はいくらになりますか?」(匿名希望さん)A:国民年金保険料を60歳になるまで支払うと、保険料納付済の期間が合計30年になりますので、65歳からもらえる老齢基礎年金は年額51万円(令和6年度、新規裁定者)となります
国民年金保険料は、20歳以上60歳になるまで、合計480カ月支払います。480カ月の全期間、国民年金保険料を納めると、65歳から老齢基礎年金の満額81万6000円(令和6年度、新規裁定者)を受給することができます。しかし未納期間や免除期間があると、満額の老齢基礎年金額を受け取ることができません。相談者は厚生年金保険料を25年間支払い、その後55歳から60歳になるまでの5年間、国民年金保険料を支払う予定とのこと。相談者が厚生年金に加入したのは30歳になると思います。相談者が厚生年金に加入する前(20歳〜30歳になるまで)の10年間は、国民年金に加入していないと仮定して計算して解説します。
厚生年金に25年間加入していた期間(厚生年金保険料を支払った期間)は、国民年金にも加入していたということになりますので、相談者の60歳時点での国民年金加入期間は、以下のように合計で30年間(360カ月)となります。
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相談者の場合は30年間(360カ月)なので、満額まで120カ月足りません。以下の計算式で、老齢基礎年金の受給額の計算ができます。免除・猶予申請は考慮しません。
81万6000円(2024年(令和6年度))×加入期間360カ月/480カ月=年額51万円
したがって、相談者が65歳からもらえる老齢基礎年金は年額51万円となります。この金額に厚生年金に加入していた25年分の老齢厚生年金も上乗せしてもらえます。
65歳になる約3カ月前に年金機構から送られてくる年金請求書で忘れずに請求手続きをしましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
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