プラドとランクル250を比較! 乗り換えるなら今?

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2024年11月01日 12:01  マイナビニュース

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トヨタ自動車が2024年4月に発売した「ランドクルーザー250」は「ランドクルーザープラド」の実質的な後継モデルだ。プラドと比べランクル250はどのくらい進化しているのか。プラドから乗り換えても大丈夫? 乗り心地や使い勝手を試乗で確かめてきた。


フルモデルチェンジは15年ぶり



プラドの登場は1990年。それまで2ドアしかなかったランクル70系ワゴンのデザインを刷新し、4ドアを新設するなどして乗用車テイストを強めたモデルだった。車名の「プラド」は「平原」という意味らしい。



2009年には直近の先代モデルとなる4代目プラドが登場。より現代的なスタイリングにアップデートされていて、今も街中でよく見かける。


ランクル250は4代目プラドの登場から15年の時を経て登場した最新モデル。4代目プラドは「150系」と呼ばれていたが、プラットフォームを刷新するなど大幅に進化したことから、車名は150に100を加えて(おそらく100%進化したという意味)「ランクル250」になったらしい。

乗ればわかる全方位の進化



ランクル250のパワートレインはディーゼルエンジン(2.8L直列4気筒、8速AT、最高出力204PS、最大トルク500Nm)とガソリンエンジン(2.7L直4、163PS、246Nm)の2種類。グレードラインアップはディーゼルが「ZX」(7人乗り、735万円)、「VX」(7人乗り、630万円)、「GX」(5人乗り、520万円)、ガソリンが「VX」(7人乗り、545万円)となる。



プラドから進化した点はいくつもある。まず、ひと目でわかるのはエクステリアデザインだ。フロントフェイスではヘッドライトが従来の横長から角目に。目が変わるだけで別のクルマのようだ。最上位グレードの「ZX」では発売時の特別仕様車「ファーストエディション」のみ丸目を選択できたが、現時点では選べない。ただ、ZXよりも下位グレードの「VX」なら、有償オプションにはなるが丸目のヘッドライトに変更可能だ。


ボディの剛性が向上していることも進化のポイントだ。溶接点を打ち増したり、構造用接着剤を使用したりすることで剛性を向上させている。



プラットフォームは上位モデルであるランクル300と同じ「GA-F」を採用。超高張力鋼板をフレームに使用し、堅牢性と高剛性を実現させている。トヨタいわく「悪路走破性とともに生活を支えるクルマ」として、オンロードでも扱いやすい、生活実用に重きをおいたモデルになっているそうだ。



こうした進化は走りにしっかりと現れている。パワーステアリングの採用も相まって、オンでもオフでも滑らかに操舵できる。急なカーブや凹凸のある道路でも車体がふらつく様子はなかった。



プラドに乗ったときはエンジン音が車内に響いてきたが、ランクル250ではやや抑えられている。車外音を完全にシャットアウトすることも現在の技術なら可能なのだろうが、わずかに感じるエンジン音、ロードノイズはランクルらしさだと捉えたい。乗り心地もよく、路面からの突き上げ感も少なかった。本格オフローダーでありながら、上質な乗り味を兼ね備えている。

使い勝手も向上している。サイドブレーキが電動化(今では珍しくないが)されたことで、運転席まわりがスッキリとした。ギアを「D」に入れると自動でサイドブレーキが解除されるのもありがたい。



シートのベンチレーションシステムは3段階で強さを調節可能。夏の長時間ドライブでも快適に過ごせるだろう。3列目シートに身長約180cmの筆者が乗ると、膝まわりだけは窮屈だったが頭上は広く、1時間程度のドライブなら問題なさそうだった。


ボディサイズと車両重量を見ると、プラドが全長4,825mm、全幅1,885mm、全高1,850mm、重量2,330kg(TZ-Gグレード)だったのに対し、ランクル250は全長4,925mm、全幅1,980mm、全高1,935mm(ZX以外は1,925mm)、重量2,240kg(VX)となっている。全体的にサイズアップしつつも、わずかに軽量化を果たした格好だ。ただ、どちらも大柄なSUVであることに変わりはなく、扱いやすさでいえば互角だ。

そもそも新車で買えない?



プラドに乗っているオーナーなら、あらゆる点で進化しているランクル250に乗り換える価値は十分にある。プラドでも満足できるはずだが、やはりランクル250と比較してしまうと、新型のほうがよく見えてしまう。



いざ購入しようとした場合、気になるのは納車時期だ。そもそも、売り切れ状態で買えないのでは? このあたりについて複数の販売店に聞いてみたところ、「半導体不足の影響」で新規の受注は停止しているとのこと。受注再開時期も不明で、本稿執筆時点では購入はおろか予約すらできない状態だ。


では中古車はどうか。いくつかのサイトで検索すると、ランクル250は全国に約70台ほどの在庫があったが、ほぼすべてが新車価格よりも150万円以上高いプレミア価格で売られていた。ZXのファーストエディションにいたっては、新車価格より530万円も高い1,265万円(!!)という驚愕のプライスだ。個人的には、希少な限定車でもない限り、新車よりも高い価格で買う必要はないと思う(限定車でもプレ値での購入には反対だが)。



一方、プラド150系を検索すると中古車はおよそ2,000台出ていた。2024年式で走行距離1万キロ未満であれば、500万円台から購入できそうだ。ディーゼルとガソリンで価格差がないものも多く、選びたい放題という状況である。



ランクル250がいいクルマであることは間違いない。欲しければ受注再開を待ちたいところだが、高年式で良質なプラド150系が選び放題となると、大いに悩む。現時点では「新車(定価)で買えるなら」という条件付きで、ランクル250には乗り換える価値があるという結論にしたい。


室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら(室井大和)

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