元タレントでYouTuberとして活動する木下優樹菜さんが11月1日、インスタグラムを通じて、子どもを「盗撮」されたと被害を訴えました。
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木下さんはインスタのストーリーズに「娘とパパが2人で楽しんでいる所を盗撮して送ってきた方」とした上で、送られてきたとされる写真をアップ。その上で「盗撮ですよ。その写真を今すぐカメラロールや知り合いに送ったであろう写真を削除願います」と呼びかけました。
撮影されたのはプライベートでの様子だったとみられます。
同じストーリーズの中で「私たちは昔から私とフジモンは千歩譲って良いです。子供だけはやめろとメディアやSNSで言ってきましたし他の著名人の子を持つ親達もいってきてます。本当にやめてください!!」と怒りをにじませます。
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芸能人もオフの時間に無断で撮影されたら不快になるはずです。芸能人やその家族を見かけた際に、こっそりと撮影してSNSなどにアップすることは問題があるのでしょうか。清水陽平弁護士に聞きました。
——偶然見かけた芸能人をスマホでこっそりと撮影すると法的問題はありますか。
最高裁は「個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態……を撮影されない自由を有する」(最高裁昭和44年12月24日判決)としています。
これは、いわゆる「肖像権」の判例です。ひらたく言えば、プライベートの姿を無断で撮影することは肖像権侵害になる可能性があるということです。
芸能人であっても同じで、偶然見かけ芸能人を撮影したり、これをSNSにアップしたりする行為は、肖像権侵害とされる余地があります。
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ただし、最高裁は、撮影やSNSへのアップが肖像権侵害(不法行為)になるかどうかについて「被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して、被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべき」としています(最高裁平成17年11月10日判決)。
撮影の状況や場所など様々な事情を踏まえた上で、肖像権侵害にあたるかを考えることになるので、常に侵害になるわけではありません。しかし、芸能人を狙って撮影するようなものは、もっぱら興味関心に基づくものに過ぎないので、侵害のほうに傾くのではないかと考えられます。
撮影した写真に意図せず芸能人も映り込んでいたようなケースであれば、侵害にならないことも考えられます。
——肖像権の侵害が認められたら、どうなるのでしょう
芸能人が請求すれば、撮影データの削除やSNSにアップされた写真の削除、損害賠償が認められることになります。
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しかし、芸能人を見て撮影したくなる気持ちはわからないでもないですが、断りなく撮影することは肖像権侵害になるということは覚えておくべきでしょう。マナー的にも、本人の了解を得てから撮影すべきといえます。
——芸能人の子どもの場合はどのように判断されますか?
未成年者であっても肖像権があることは当然です。そして、芸能人の子どもでも、子どもは芸能人ではないわけで、それを勝手に撮影、SNSにアップするといった行為は基本的に肖像権侵害として判断されることになります。
【取材協力弁護士】
清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022〜2023年) の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ・ドラマ「しょせん他人事ですから〜とある弁護士の本音の仕事〜」の法律監修を行っている。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:https://www.alcien.jp
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