アメリカ大統領選で必ず話題となる7つの激戦州の特色とは? 池上彰が監修する話題書から解説

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2024年11月05日 08:00  リアルサウンド

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池上彰監修『時系列×テーマ別だから一冊でわかる アメリカ史』(朝日新聞出版)

 


■トランプ、ハリス、どうなる大統領選

 11月5日(日本時間11月6日)に実施されるアメリカ合衆国の大統領選挙。共和党候補のドナルド・トランプと民主党候補のカマラ・ハリスが、第47代大統領の座を巡って激しい選挙戦を展開している。選挙戦終盤となり、トランプとハリスの支持率が拮抗している状態で、勝敗の明暗を分けるとされるのが、2人のどちらが勝ってもおかしくない7つの激戦州と言われている。


 このたびの大統領選で激戦州とされているのが、アリゾナ州、ウィスコンシン州、ジョージア州、ミシガン州、ネヴァダ州、ノースカロライナ州、ペンシルヴェニア州の合計7州だ。これらの州の無党派層の票が大統領選の勝敗を決するといわれており、2人とも激戦州を重視しながら選挙戦を展開しているというわけである。


  この7州には馴染みのある州もあれば、あまり聞いたことがないと感じる州もあることだろう。アメリカの州は日本の都道府県以上に強烈な個性をもっているケースが多いが、それぞれの特徴を紹介している『アメリカ史 時系列×テーマ別だから一冊でわかる』(かみゆ歴史編集部/編集、池上彰/監修、朝日新聞出版/刊)で、激戦州のプロフィールを見てみよう。


■アメリカ大統領選挙の激戦区、どんな特色が?

  まずは、アリゾナ州だ。この州のシンボルと言えば世界的な観光地であるグランド・キャニオンだろう。グランド・キャニオンのイメージ通り、渓谷と砂漠が多く、乾燥した土地が広がっている。こうした乾燥しやすい気候ゆえ、半導体の製造業が盛んになっている。対して、ウィスコンシン州は牧歌的な酪農地帯が広がっており、アメリカのチーズ産業を支えている州といわれる。


  ジョージア州といえば、オリンピックが開催された州都のアトランタが有名だ。また、コカ・コーラ発祥の地としても名高い。また、CNNの本社もここにある。アメリカ屈指の製造業の盛んな都市と言えばミシガン州。ゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラーの3社が本社を置くデトロイトがあり、世界有数の自動車産業の都市として知られる。


  ネヴァダ州はラスベガスがあることで有名。かつては鉱山街として繁栄したが、その後の衰退の危機を経てカジノを合法化したところ、世界的なカジノリゾートを有する都市へと変貌を遂げた。ネオンがきらめき、富裕層向けのリゾートホテルが立ち並ぶラスベガスの風景は、いかにもアメリカらしい都市景観といったところだろう。


  ノースカロライナ州もかつては金鉱の町として発展した。現在はシャーロットが屈指の金融センターとなり、銀行が多く集まっている。ノースカロライナ大学やデューク大学などの名門大学もキャンパスを置いている。このように、同じ鉱山都市として栄えた州であっても、その後が辿った経緯がまったく異なるのが興味深い。


  そして、最後はペンシルヴェニア州である。アメリカの歴史にとっても重要な州で、1776年7月4日、ペンシルベニア州の都市・フィラデルフィアで独立宣言が採択されたことから、アメリカ誕生の地と評されている。今年、トランプが演説中に銃撃され、負傷する事件があったことは記憶に新しい。トランプの支持者は負傷しても力強く立ち上がるトランプの姿に、強いアメリカのイメージを重ね合わせたといわれる。



  果たして、空前の激戦、接戦といわれる選挙戦を制し、第47代大統領に就任するのはトランプとハリス、どちらになるだろうか。11月5日の投票日は、世界中の人々の関心がアメリカに注がれることになりそうだ。



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