東京都板橋区舟渡(ふなど)の区立舟渡水辺公園とつながるように整備・誕生した、巨大物流施設「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」で、地域住民を中心に、施設について広く知ってもらうためのイベント「MIRAI FES」が初開催されました。
「ちょっといい未来」をテーマに、最新施設の見学ツアーやドローン操縦体験やワークショップなど、年齢を問わず楽しめるコンテンツが目白押し。サッカー元日本代表・中澤佑二さんも登場し、スペシャルトークショーとサッカー教室が行われ、家族連れを中心に賑わった当日の模様をレポートします。
○通常非公開の最新物流施設に潜入!
「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」は、東京23区内にありながら、延床面積約77,400坪を誇る、都内で最大規模の物流施設。首都高速5号池袋線「中台IC」出入口から約2.7km、都営三田線「西台」駅から徒歩10分と非常にアクセスが良く、物流施設として最高レベルのスペック、さらに未来のドローン物流を見据えたR&D(研究開発)区画も整備されています。
竣工から間もないですが、施設内はすでに大手物流各社が拠点を置いて稼働中。本来は関係者以外立ち入り禁止ですが、特別に見学できる無料のツアーが開催され、事前に申し込みをしていた一般の参加者と共に各フロアを巡りました。
またこの施設は、物流を支えるだけではなく、地域の防災拠点としての役割も担っているそう。
施設が位置するこの地域は、豪雨災害などが発生した場合、すぐ近くを流れる新河岸川(しんがしがわ)からの浸水被害が懸念され、地域住民の一時的な避難場所として、また災害物資の保管・配送拠点として、「板橋区災害時配送ステーション」が併設・運用されていました。
○ドローンの操縦体験やワークショップが大人気
施設内では、ヤマト運輸株式会社をはじめ、多くの企業・団体のブースが登場。ダンボールパズルや小さなフォークリフトを操作できる「物流おしごと体験」など、子どもも大人も楽しめる無料のワークショップやイベントが数多く開催されていました。
また、地域の安全を守る警察のパトカーや白バイ、救急車、消防車といった「はたらく車」が大集合。試乗して記念撮影ができたり、現役の警察官や消防士の方々から直接お話しを伺ったりと、筆者も思わず楽しんでしまいました。
施設の外には、子どもたちの遊び場「わくわく広場」や、隣接する舟渡水辺公園と一体的に整備された高台の「あおぞら広場」などが広がります。ボーネルンド社がプロデュースした遊具が配され、普段から地域住民に開放されており、この日も多くの方が、徒歩や自転車などで訪れていました。
「わくわく広場」を抜けた先には、人工芝が敷き詰められた「ネットフィールド」と、ドローン事業者の交流・共創の場である「Drone Lounge」が。ドローンの操縦やフリー飛行を行うため、またパイロットを育成するためのスクールの実施も準備が進められています。
この日は、小型のドローンを実際に操縦してお菓子を釣る小学生向けの体験会が開催され、多くの子どもたちで行列ができていました。小型化・低価格化が進み、ドローンが活用される場は急増していますが、都内、しかも屋外で、実際にドローンを飛ばして操縦を学べる拠点は貴重でしょう。
○サッカー元日本代表・中澤佑二さんが子どもたちに熱いメッセージ
フットサルコートとしても開放予定の「ネットフィールド」ではこの日、サッカー元日本代表の中澤佑二さんがスペシャルゲストとして登場。小学校を対象にしたサッカー教室が無料で開催され、会場は大いに賑わいました。
サッカー教室と合わせて開催されたスペシャルトークショーでは、数多くの子供たちが参加していたこともあり、自身の幼少期や、Jリーグ設立当時プロサッカー選手を目指すも選ばれず、クラブチームの練習生として過ごしていた日々、練習を積み重ねて日本代表となり世界トップクラスの選手たちと戦ったエピソードなどを、ざっくばらんに語ってくれました。
本イベントのテーマ「ちょっといい未来」にちなみ、自身が夢を叶えることができた理由は?と問われると、「いろんな人からのアドバイスをたくさん聞いたけれど、練習しながらいろんな人のプレーを観察して研究したし、自分で考えて決断してきたことが非常に大事だったのでは。僕は他の選手と比べて技術的に本当に劣っていたし、ディフェンスだから身体もとにかく強くなければいけない。そのために自分で考えて、ボールを使ったいろんな練習をしたし、身体を鍛える努力も一生懸命やりました。おかげで現役を20年続けましたが、怪我が少なかったですね。練習時間以外の日常生活の中でも、常にプロサッカー選手として何をしなければならないかを考えて過ごしていました」と語っていました。
また、サッカー教室に参加した子供たちに向けて、「身体を作るためには、やっぱり睡眠をしっかりとること、そして食事。何より、プロになるんだっていう強い気持ちを持って、自分で自分の特徴を把握した上で、どういう練習するかを考えて、しっかり続けることが大事。」とアドバイス。サッカーに限らず、また多くの大人にとっても心に響くお話で、トークイベントは締めくくられました。
物流の最前線を支える「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」で、幅広い世代がゆるやかに集い楽しんだ「MIRAI FES」。地域の交流拠点として、多くの人々に親しまれる存在になりそうです。(Naomi)