JR東日本は6日、首都圏主要線区のワンマン運転実施計画を発表した。2025年春から常磐線(各駅停車)と南武線、2026年春から横浜線などでワンマン運転を開始。2030年頃までに山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線(各駅停車)、埼京線などでもワンマン運転を実施予定としている。
同社は技術開発の成果を取り入れ、グループ経営ビジョン「変革 2027」に掲げるワンマン運転を拡大することにより、人手不足や社員の就労意識の変化などに対応。鉄道をより効率的でサステナブルな輸送モードに変革するとしている。この施策の推進により、社員の就労意識を「人ならではの創造的な仕事」へシフトさせていくという。
首都圏主要線区のワンマン運転は2030年頃までに順次実施する計画としており、その第一歩として、常磐線(各駅停車)の綾瀬〜取手間で運転される10両編成の列車と、南武線の川崎〜立川間で運転される6両編成の列車を対象に、2025年春からワンマン運転を開始する。
2026年春には、横浜・根岸線の八王子〜大船間を走る8両編成の列車(東神奈川〜大船間は横浜線のE233系8両編成のみ)でワンマン運転を開始。山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線(各駅停車)、埼京・川越線でも2030年頃までに準備を進め、ワンマン運転を実施する予定となった。
首都圏主要線区でのワンマン運転実施にあたり、安全性向上の取組みとして、運転席に乗降確認モニタを設置し、列車が発車する際の安全性向上を図るほか、JR東日本として初めて、異常時等で乗客と輸送指令室との会話および車内放送を輸送指令室から直接行う機能を導入。係員に対して必要な教育・訓練を行うとともに、関係者の協力を得て首都圏在来線でホームドア整備も推進する。
輸送安定性の向上と運転士の負担軽減を目的に、ATO(自動列車運転装置)またはTASC(定位置停止装置)を整備。さらなる安全性向上に向けた技術開発として、輸送指令室で列車内のリアルタイム映像を確認できる機能や、車両に搭載したカメラで列車が走行する線路内の障害物を検知するシステムなどの早期導入も進めるとのこと。(MN 鉄道ニュース編集部)