「欲しいのはポストではない」連日チヤホヤ、今が“売りどき”玉木雄一郎という男

1

2024年11月07日 06:10  週刊女性PRIME

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週刊女性PRIME

国民民主党の玉木雄一郎代表

 10月27日の衆院選で、改選前7議席から28議席に大躍進した国民民主党。玉木雄一郎代表は、過半数を確保したい与党・自民党と、政権交代をもくろむ野党第1党・立憲民主党の双方から“組もう”と言い寄られ、連日その動向が新聞やテレビなどで伝えられている。

いつもアニメソングを歌っていた

 政治評論家の有馬晴海さんは、玉木代表についてこう話す。

「頭脳明晰で政治能力が高い。なかなかのイイ男でもあります。父親は獣医師として農協の仕事をするなど自民党に近く、自身の政策も自民党寄り。一方で民主党から政治家人生をスタートするなど野党暮らしが長く、自民、立民いずれもつけ入るスキはあるでしょう。本人もまた、いまが一番の“売りどき”ということは重々承知しているはずです」

 玉木氏は、香川県さぬき市出身。本人が公式サイトで公開する情報などによると、農協の仕事に携わったのは父親だけでなく、祖父も地元の農協で組合長だったという。

 母親は特別養護老人ホームで働いていた。

《3人兄弟の長男として、田んぼの真ん中の家に生まれ育つ。母親のバイクの後ろに乗って幼稚園に通っていたが、いつも大きな声でアニメソングなどを歌っていた。風に吹かれて気持ちよかったことは、自分でもよく覚えている》(玉木氏の公式サイトより、以下同)

 小学生のときは『少年ジャンプ』を愛読。毎週、自宅から30分かけて雑貨店に買いに行った。唯一の習い事は、そろばん。家族から農作業を手伝うように言われるのがイヤで、逃げるように勉強に打ち込んだ。当時の将来の夢は、

《卒業文集には「国連事務総長」になると書いてある》

 中学生のころ、テレビでマイケル・ジャクソンのコンサートを見て衝撃を受け、大ファンに。サッカーや野球などスポーツが得意だったが、進学校で知られる県立高校では軽音楽部に入部。仲間とバンドを組むなど音楽に傾注していった。文化祭委員長を務め、ダンスイベントを企画した。

《ギターやピアノはその頃独学で覚える。よく、曲も作っていた》

 1浪して東京大学法学部に合格。陸上部で十種競技にのめりこみ、筋トレで肉体改造に成功したという。

講演会はライブ、街頭演説は路上ライブ

 それでも、やっぱり歌は好きで、

《陸上部の先輩や同僚と練習の後や大会の後、よくカラオケ店に行っていた。本格的にカラオケ好きとなったのはその時から。ある店で、徳永英明さんの『壊れかけのRadio』を歌っていたらスカウトされたことがある》

 というから大したもの。

 卒業した1993年に大蔵省(現・財務省)に入省。ハーバード大学ケネディスクールに留学したほか、外務省中近東アフリカ局や金融庁の証券取引等監視委員会、大阪国税局、内閣府に出向し、3人の行革担当大臣の秘書専門官を務めた。

 2005年の衆院選で、香川2区に当時の民主党から出馬するも落選。2009年に初当選。民進党、希望の党を経て、2018年に国民民主党を結党した。

 家庭では妻・恵理さんと息子がおり、子どもが小さいころは節分に鬼役に徹するなどよきパパだったようだ。

 カラオケのおはこは狩人のヒット曲『あずさ2号』。2007年には地元ラジオ局のカラオケ番組に出演し、公式ブログで《真心込めて歌いました》と報告した。誰かに思いを伝えようとする意味で、政治も歌も同じだという。

《今の政治家のメッセージに思いがなさ過ぎるのかもしれません。私にとって、講演会はライブ、街頭演説は路上ライブです。下手くそでもいいので、今年は、特に、熱くみずみずしいメッセージを発していきたいと思います。魂をちぎって投げつけていきます》(2009年1月の同ブログより)

 地元の60代の男性支援者が言う。

「最初に出馬したころは、何がしたいのかハッキリしないところもあったが、最近は自分の言葉でやりたいことをスラスラと話している。私利私欲に走るタイプではない。当選を重ねてもずる賢くならず、腹黒くもならず、情熱にあふれて元気がいい。

 歌は聴いたことがないが、今回の衆院選の投開票2日前の決起集会では、跳ねるようにポンポンと壇上に上がり、選挙戦の疲れもみせず、いつまでも若いなと感心した。支援者はみな、口に出して言うか言わないかの違いはあるものの“いずれは大臣か総理大臣になってほしい”と期待しているんだ

たとえ総理大臣のポストでも…

 玉木氏は、11月11日に召集予定の特別国会の首相指名選挙で「1回目も2回目も玉木雄一郎と書く」と明言。「欲しいのはポストではない。選挙で約束した“手取りを増やす”“国民の懐を潤す”経済政策を実現したい」と話すなど、見返りポストにつられない姿勢をみせている。

 前出の有馬さんはこう読む。

「玉木氏は信念の固い政治家です。“みんなの手取りを増やす”と公約した“年収103万円の壁”は破るでしょう。所得税の基礎控除などを受けられる年収を178万円まで引き上げる試算を出しており、実現すれば大減税になります。アルバイトしている人たちは思う存分働けるので大喜びでしょう。一方で国と地方を合わせて約8兆円の減収になるため、103万円と178万円の間で交渉して、納得できる一致点を見いだすことになるとみています」

 自民、立民の両党から、どれほど魅力的なポストを提示されても揺らがないはずだという。

例えば、それが総理大臣のポストであったとしても、公約を曲げて受けた時点で国民は“そういうヤツか”とガッカリするものです。玉木氏は永田町の肩書より、国民に約束した信念を通したいのではないでしょうか。

 来年の参院選でも躍進が期待できます。この衆院選では、国民民主党に想定以上の風が吹き、比例区との重複立候補者が次々と小選挙区で勝利。北関東と東海ブロックでは比例名簿登載者が獲得議席を下回ってしまい、計3議席を他党に譲るかたちになりました。

 参院選では国民民主党から出馬したい候補者が集まってくるでしょうから、しっかりと人物評価し、いい候補者を多く擁立することが大切になってきます」(有馬さん)

 鼻歌を歌いたくなる気分かもしれないが、『あずさ2号』を熱唱する余裕はなさそうだ。

このニュースに関するつぶやき

前日のランキングへ

ニュース設定